■女神が微笑んだゴールラッシュ
未勝利で突破が決まらないまま最終節を迎えてしまったスペイン。立ちはだかる圧倒的な得点力不足というお題。これに対してどのように解決策を見出すか。これが自分たちより上にいるスロバキアを退けるためのキーになるのはだれの目から見ても明らかだ。
無論、得点までの過程はそこまで悪いわけではない。この試合では左の大外を起点としてモラタや右のサラビアが入り込む動きでゴールに迫る。左の大外を取る役割をWGのモレノにやらせるのはちょっと不思議だったけど、相変わらずPA内の動き出しまでは元気であることを証明していた。
中盤に入ったブスケッツもタクト役を十分にこなしていたしコンディションは充分。IHは無駄に下がらず高い位置で取る分攻撃に厚みは出ていた。この部分はややスロバキアのケアは甘かった。自陣に引く割りには間に通されるし、ホルダーを簡単に離す場面も見られた。
ただ、スペインが決定機に頭を抱える状況は変わらず。ややアクシデンタルな形で得られたPKはドゥブラーフカがストップ。モラタはまたしても頭を抱えることになった。ちなみにスペインはこれで5連続PK失敗らしい。
しかし、得点力不足は意外な形で解決することに。シャトカのパスミスで得たシュート機会をサラビアがポストに当てると、この処理をドゥブラーフカが誤りオウンゴールに。痛恨の処理ミスでスペインに先行を許す。
こうなると勢いが出るスペイン。WGの左右を入れ替えたスペインはモレノが右に抜け出すとセットプレーで残っていたラポルトにアシスト。前半のうちに追加点を得る。
後半のスロバキアは中盤のチェイシングを強化し、奪回後、即座にCB間の前線の裏にパスを出すなど狙いはだいぶ整理された印象だった。しかし、点が入ったのはスペイン。左で作って右で決めるというこの日のお決まりの流れから3点目を奪取。これで勝負あり。やや女神がほほ笑んだ感もあったが、今大会最大の得点差で得点力不足のイメージを払拭したスペインがノックアウトラウンド進出を決めていた。
試合結果
スロバキア 0-5 スペイン
エスタディオ・ラ・カルトゥーハ
【得点者】
ESP:30′ ドゥブラーフカ(OG), 45+3′ ラポルト, 56′ サラビア, 67′ フェラン・トーレス, 71′ クツカ(OG)
主審:ビョルン・カイペルス