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「Catch up UEFA Champions League」~2022.4.6 UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-final 1st leg ビジャレアル×バイエルン

■強度に問題はなし!

 下馬評を覆し、ユベントスを破ってベスト8に進出したビジャレアル。個人的にはその結果以上にベスト16での180分の内容に非常に驚いた。なにせめちゃめちゃテンポが遅い。CLはある程度の強度がなければ足切り!という印象があるのだけど、この2チームはある程度ゆっくり試合が進行するのを許容しているかのようだった。

 そうした試合を勝ちぬいただけに最も気になるのは速いテンポ、高い強度でバイエルンにビジャレアルが向き合えるのかどうか?である。

だが立ち上がりを見る限り、そうした心配は杞憂のように思えた。ビジャレアルはバイエルン相手にも強度が問題になることは無かった。前のラウンドでユベントスに見せたスローリーなテンポの面影はそこにはなかった。

 前ラウンドからここまでの間のリーグ戦は比較的低調と聞いたのでチームとしてどこか相手のテンポに合わせてプレーしてしまうことが多いのかもしれない。そういうチームにとってはバイエルンのような強度の高いチームはむしろ歓迎ということだろう。

 特に目覚ましかったのはボール奪取後の攻撃への切り替え。カウンターにおける前進のスムーズさはラウンド16のパフォーマンスが嘘のようだった。

ポゼッションにおいても攻撃の手ごたえはあり。大きくタッチラインに開くCBから保持を始めるビジャレアルはまずバイエルンのSHを食いつかせて、そこから最後の多角形で攻め落とす!というのが中心となるスタイル。

この試合においてはビジャレアルの2列目の4人はいずれもMFタイプで比較的均質的であり、大外で優位を取れるアタッカーもいないため、誰かが幅を取っても誰が最終的に抜け出してもOK。3-2-5に変形し、デイビスが上がった分、負荷がかかるリュカを集中的に狙うように。3分にはあっさりと裏を取ると、8分には先制点をゲット。やはり狙いはトランジッションで甘さが出たバイエルンの左サイドだった。

 8分のゴールシーンはバイエルンの左サイドだけでなくライン間も簡単につながれており、バイエルンの守備ブロックがこの試合でいかにコンパクトさを維持できなかったかの象徴的なシーンである。

 保持においてもバイエルンは物足りない。4-4-2でとりあえず撤退祖優先する方向に舵を切ったビジャレアルに対して、なかなか解決策が見極められない。大外のデイビス、グナブリー、コマンあたりはビジャレアルのブロックが捕まえられないほど大外に張るのだが、そこからPA内へボールをつなぐルートがない。

 よって、大外からのアバウトなクロスに終始、だが、これは単調すぎてビジャレアル守備網に引っかかってしまう。単騎での突破は困難で、バイエルンはこの大外の優位を生かすことが出来なかったといっていいだろう。

 そのバイエルンをいなすことでロングカウンターのチャンスを作り、バイエルンよりもチャンスメイクすることに成功していたビジャレアル。基本的なことだが、ボールサイドのサポートの手厚さと抜け出しと大外を作る堅実さで先制点以降もチャンスを作り続ける。

 基本的にはそうした流れが試合終了まで続いた印象だ。サネやゴレツカの投入で同点ゴールを狙ったバイエルンだったが、精度が上がる兆しは最後まで見ることが出来ず。むしろ、モレノのミドルやコクランのオフサイドのシーンなど終盤までカウンターの手を緩めなかったビジャレアル相手に1点差でホームに帰還できることが幸運なくらいである。

試合結果
2022.4.6
UEFAチャンピオンズリーグ
Quarter-final 1st leg
ビジャレアル 1-0 バイエルン
エスタディオ・デ・ラ・セラミカ
【得点者】
VIL:8′ ダンジュマ
主審:アンソニー・テイラー

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