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「Catch up UEFA Champions League」~2022.4.5 UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-final 1st leg ベンフィカ×リバプール

■カウンターは養分になる

 週末にシティ戦を控えるというタフな一週間の真っ最中のリバプール。シティの前にまずはポルトガル遠征である。

 立ち上がりから3-2-5気味に変形するリバプール。チアゴが落ちて、アレクサンダー=アーノルドが上がっていくこの形はリバプールにとって日常ではあるが、この日くらい割と明確に3-2-5という形がくっきりというのはそこそこ珍しいように思う。リバプールは中央を迂回するようにサイドから攻撃を仕掛ける。

対するベンフィカは相手の攻撃を止めた後、すぐに横方向に大きな展開を挟むことでプレッシングを回避する。ゆったりしたビルドアップも広く横に距離を取ったCBからのロングフィードが中心だった。

ベンフィカのアタッカー陣はリバプールのDF陣に対して十分点が取れる匂いはあった。ヌニェスは十分に背負えるし、エヴェルトンとシウバの両翼もリバプールのSBに対して優位を取ることが出来ていた。

 ただ、ベンフィカには問題が。それはリバプールのアタッカー陣がベンフィカのアタッカー陣以上に優位を取れそうなことである。こうしたベンフィカのカウンターはリバプールに止められてしまった後に自陣に大きなスペースを空けることになる。

 撤退守備においては普段の4-2-3-1から4-5-1あるいは5-4-1のように、自陣のスペースを埋めるように細かく人数を調整しながらラインを下げていたベンフィカだったが、リバプールのカウンターの状況ではそんなことをしている余裕はない。

そもそもリバプールは結局火力で押し切れるという算段からある程度打ち合いに応じる気があるチーム。この試合でもベンフィカのカウンターをある程度受けるのは想定内だったように思う。

 むしろ、そのカウンターを養分に自分たちのカウンターの効果を上乗せしてやろう!みたいな感じだったのではないだろうか。左からはディアスのドリブルで、右からはサラーの裏抜けで敵陣に迫るリバプールであった。

 そして先制点はセットプレーから。CKからコナテが叩き込んでリバプールが敵地で先手を奪う。この先制点から勢いに乗り相手を押し下げるリバプール。その流れで前半のうちに追加点にたどり着く。右サイドからラインを押し下げるような対角パスを飛ばしたのはアレクサンダー=アーノルド。裏に走りながら対角パスを受ける形になったディアスの抜け出しから、最後はマネがゴールを奪う。

 2点を追いかけることになったベンフィカ。やり方は今までとは大きくは変えずにカウンター主体で攻勢に出る。気持ち強くなったのはプレッシング。リバプールに時間を与えないアプローチで前半よりもショートパスをひっかける機会は増えた。リバプールはCHを下げ気味で対応させるなど守備のバランスは調整していた。ただ、その中でもチアゴが警告を受けるなど、十分に対応できていたとはいいがたい。ヘンダーソンの登場は当然だろう。

 被カウンターを受ける状況が増えたリバプール。バックラインがそれでも踏ん張れば問題ないのだが、ついに決壊したのが後半。コナテのエラーでボールが目の前に届いたヌニェスが追撃の一撃を後半早々にもぎ取る。

 ここを攻めどころと見たベンフィカは一気に敵陣にかけるプレスの強度を引き上げる。エヴェルトン、シウバの両翼とSBのジウベルトも駆け上がり、厚みのある攻撃を見せるが、なかなかゴールを割ることはできない。

 一方のリバプールは右のWGに入ったジョッタがかなり絞り気味。フィルミーノと擬似2トップみたいな陣形になっていた。ジョッタは相手に影響を与えるような場所にいるのがうまい。この状況では相手の最終ラインに影響を与えている立ち位置だった。

 そのずれを活かしてこの試合を決めたリバプール。前線が降りる動きでオタメンディを手前に引き出して、入れ替わるように裏に飛び出していく。

 ベンフィカにとってはセットプレーやカウンターからやり返す準備は十分にあった。しかしながら、リバプールの火力と後半のテコ入れを前に一蹴されてしまった試合だった。

試合結果
2022.4.5
UEFAチャンピオンズリーグ
Quarter-final 1st leg
ベンフィカ 1-3 リバプール
エスタディオ・ダ・ルス
【得点者】
BEN:49′ ヌニェス
LIV:17′ コナテ, 34′ マネ, 87′ ディアス
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ

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