■大エースたる所以は見られたが…
勝ち点4を稼ぎすでに突破が決まっている首位のスウェーデン。迎えるのは最下位ながらも勝てば自力突破が可能であるポーランドである。
勝たなければいけないポーランドの立ち上がりは慎重だった。ゆったりとしたボール回し、そしてレバンドフスキ目掛けたロングボール、そしてそのこぼれ球を押し上げた2列目が拾うという泥臭いやり方だった。
しかし、その慎重な姿勢は早々に崩される。イサクのポストからワンツー気味にシュートコースを作ったフォルスベリが先制パンチ。スウェーデンが先制したのは開始わずか2分のことだった。
というわけでスウェーデンは早速得意な4-4-2での塹壕戦をスタート。ポーランドはスロバキアやスペインに比べば前線のクロスに合わせる能力は高かった。それでもスウェーデンの牙城を崩すのはハードモード。時折、アクシデンタルにカウンターのチャンスがポーランドに転がってくることもあったのだが、スムーズに縦に急ぐスキルが足りていない様子だった。
レバンドフスキをうまく使えないポーランドを尻目に、イサクを使ってラインの駆け引きをするのは問題なくできていたスウェーデン。機会は少ないが、DFラインとの勝負で優勢に立つことは多かった。
ビハインドのポーランドは後半に3-1-4-2に変更。前線の受け手とプレスの強化を行うことで、より前の圧力を高めるやり方である。しかし、このやり方は初戦のスロバキア戦で見せた被カウンター対応がスカスカの形。当然、スウェーデンにカウンターの機会を与えるようになる。
このきっかけを活かしたのは途中出場のクルゼフスキ。コロナウイルスで合流が遅れたメジャー大会の初舞台において、見事なカウンターを発動。フィジカルを活かしてフォルスベリのお膳立てをした。
しかし、カウンターを完結させる個の力なら大エースのレバンドフスキも負けていない。強引な1点目は2人のDFの間からGKの届かないところに叩きこむミラクルショット。ポーランドは選手交代でWBにアタッカーを動員。突破力を強化すると、クロスを再びレバンドフスキが叩きこみ同点に追いついた。文字通りの大エース。
だが、最後に試合を決めたのはスウェーデンの方。再びカウンターからのクルゼフスキ。今度は後ろから走りこむクラーソンを使い、後半追加タイムに勝ち越し。奇跡の逆転を願うポーランドサポーターを地獄に叩き落した。
レバンドフスキの孤軍奮闘が目立った3戦だったが、最終節に敗れてポーランドは敗退。スウェーデンの強固なDFブロックとフォルスベリ、クルゼフスキの2人のテクニシャンにグループステージ突破を断たれてしまった。
試合結果
スウェーデン 3-2 ポーランド
サンクトペテルブルク・スタジアム
【得点者】
SWE:2′ 59′ フォルスベリ, 90+4′ クラーソン
POL:61′ 84′ レバンドフスキ
主審:マイケル・オリバー