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「Catch up UEFA Champions League」~2022.2.15 UEFAチャンピオンズリーグ Round 16 1st leg スポルティング×マンチェスター・シティ

■チャンス創出博覧会

 下馬評でいえば圧倒的にマンチェスター・シティが優勢。アンダードックのスポルティングが優勝候補の胸を借りるという構図の一戦だった。

 内容を見ればスポルティングはシティに対する対策を準備していたように思う。最終ラインでは数的優位を作り、シティのプレスの余ったところからファーにボールを展開する。高い位置からプレスにくるシティ3トップと3センターの手の届かない逆サイドの大外にフィードを飛ばす。これによって、シティの最終ラインとスポルティングのアタッカー陣が対峙する機会を作ることができる。

 シティのプレスの勢いのところをうまくいなし、前進の機会をつくる。そこまではスポルティングは良かった。だけども、そこから先に敵陣に入り込んで攻略するきっかけを掴めない。要は個人で爪痕を残せるアタッカーがスポルティングにいなかったというイメージである。

 前進はされたものの、食い止めることができたシティ。保持においてはやはり存在感を発揮する。5-4-1で迎え撃つスポルティングだが、ワントップのパウリーニョがシティのバックスを捕まえきれないと後手に回る。シティはパウリーニョを外し、スポルティングのシャドーにSBのマークを優先するか、それともCBのプレスに出ていくのかの判断を強いる。

 スポルティングがマクロな構造的な動きを活用しての攻略だとしたら、シティはこうしたミクロのズレを作るのが上手だった。同サイドでのズレを作ったらここから先はお手の物。外循環から裏に抜けていく形で相手の最終ラインを下げることで、マイナスにスペースを作り出すという形から先手を奪う。

 ここからはシティのチャンス創出パターンの博覧会みたいな状況だった。2点目のベルナルドのゴールはセットプレーからの流れでスーパーという片づけてしまうのもアリだが、そこからはプレミアファンにはお馴染みのシティの得点パターンの連打。

 ファーのマフレズからズレを作った3点目も相変わらずのクオリティだし、WB-CB間の裏抜けを囮にCB-CB間の裏抜けというニアの裏抜けの二段構えであっさりとマイナスのスペースを作り出したのもさすがである。最終ラインからできたミクロなズレを前に送るという意味では今のシティの右に出るものはいないはずである。

 スポルティングは健闘したものの、前線のプレスに人数をかける勇気がなかったことでボールを取り返す手段が見つからなかったのが痛かった。そのため、早い時間の先制点が彼らにとっての重石になってしまった印象である。

 攻めでは数手先をいかれ、守りでは耐えきれなかったスポルティング。マンチェスターでのリマッチではシティにどの角度から噛み付くか。1st legよりリスクもリターンも増した策を講じてくるはずのスポルティングに対して、グアルディオラがどういう対策をとるかが2nd legの見どころになるだろう。

試合結果
2022.2.15
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 1st leg
スポルティング 0−5 マンチェスター・シティ
エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラデ
【得点者】
Man City:7′ マフレズ, 17′ 44′ ベルナルド, 32′ フォーデン, 58′ スターリング
主審:スルジャン・ヨヴァノビッチ

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