■サイドからの決定打を見出せずトンネル継続
5連敗中という今季最も長い連敗記録を何とか止めたいブレントフォード。今節の相手はこちらも2022年になってから未だにリーグ戦の勝利がないクリスタルパレスである。
連敗中のブレントフォードにとって前向きな材料といえば、当然GKのラヤの復帰である。最終ラインからの司令塔が復帰したことにより、ブレントフォードはボール保持の確固たるパターンが復活。最終ラインもラヤというボールの戻しどころがあるため、自陣深くでも余裕を持ったビルドアップが可能となった。
だが、前進の精度まで保証されていたかといわれるとそこは別の話である。この日はターゲット役となるトニーが不在。ブレントフォードの攻めのパターンは手段不問で敵陣深い位置でWBにボールを渡し、そこからクロスを上げるというものである。トニーへのロングボールはその手段の中でも最も精度が高いもの。ラヤはWBも含めてあらゆる方向にボールを蹴りながら前進のやり方を模索していたが、なかなか得意の攻めのパターンまで至ることが出来なかった。
そういう点では3-2-5に変形してビルドアップをすることができるクリスタル・パレスの方が敵の陣内まで安定してボールを運ぶことが出来ていた。だが、こちらもチャンスメイクまではたどりつけず。押し込んだ後の5-3-2のブレントフォードのブロックに苦戦。大外ではザハが封じられ、ニアのサポートもブレントフォードのIHとCBに消されてしまう。
ザハのいない右サイドでは左以上に苦しむ。局地戦で1on1を挑めるオリーズを起用していればもっと勝負になったのだが、さすがにアイェウには荷が重い役割。いつもだったらサイドに顔を出して+1の役割を担うギャラガーもこの日はどこか大人しかった。クロスを上げてもブレントフォードには跳ね返し耐性があって効果は薄め。パレスは押し込んでからが遠かった。
後半、両チーム選手を代えながらマイナーチェンジ。ブレントフォードはダ・シルバの投入で、おなじみのファーへのクロスだけでなく、ニアに抉るドリブルからのマイナスのコースも創出。新しいパターンを与える。
後半のブレントフォードはCBの選手が対角にフィードを飛ばすパターンを積極的に活用。前半に比べれば、敵陣に攻め込む機会は増えたように思えた。
一方のパレスは右にオリーズを投入。左右に翼を起き攻め手を増やす。だが、これにはブレントフォードのIHがスライドして2枚で見る形で防ぐ。
だが、互いに試合を完全に握るほどの優位は作れずに試合終了。長らく勝ちがない両チームにとって未勝利のトンネルはまだ続くこととなった。
試合結果
2022.2.12
プレミアリーグ 第25節
ブレントフォード 0-0 クリスタル・パレス
ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム
主審:シモン・フーパー