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「Catch up Premier League」~2022.1.23 プレミアリーグ 第23節 チェルシー×トッテナム ハイライト

■3強の影は踏めず

 シティの首位叩きのチャンスも逃し、直近4試合のリーグ戦で得た勝ち点は3。首位の背中よりも、後方から迫りくるロンドン勢とユナイテッドの足音が気になってきたチェルシー。今節の対戦相手はその追ってくる足音を形成する1チーム。ヌーノ時代の借金をコンテになり着々と返し、CL返り咲きを狙うトッテナムである。

チェルシーにとっては影を断ち切りたいし、トッテナムにとっては争いに引きずり込みたい。互いの思惑が交錯するロンドンダービーは腹の探り合いの立ち上がりになった。

両チームともフォーメーションは模索中。前節から4バックも試し始めたチェルシーは今節は4-1-4-1でのスタートに。一方のトッテナムはソンの不在での試行錯誤。今節はセセニョンとドハーティをSHに置く形での4-4-2での対戦となった。

 互いの守備の陣形から読み取れたのは『そっちの攻撃はボールを好きに持てばいいよ!固めれば崩されないでしょ!』という思惑。ボールを持っているときはCBには過度にプレッシャーにいかずに見守りながら撤退を優先する。

 その分、攻撃の際の狙いどころははっきりしていた。チェルシーの場合、トッテナムのサイドの守備は中央に比べてずれやすいことを利用していた。特に狙い目としたのは左のSBのデイビスのところ。WGのツィエクがファジーな動きでデイビスを引き寄せると、その空いたスペースにマウントが流れて裏を取る。ここからサンチェスを引っ張り出しエリア内のルカクを狙うという動き。かなり再現性が高く見られた動きだったが、トッテナムは対応できずに非常に苦しんだ。

 トッテナムの反撃はカウンターから。チェルシーはコバチッチとマウントという両IHが高い位置を取ることが多く、ボールをロストした瞬間はアンカーのジョルジーニョとの距離が遠い。トッテナムはとりあえずこのアンカー脇に突撃をすること。1枚剥がすでもよし、縦パスを入れるでも良し。アンカーの脇で前を向いて直線的に攻め立てることができれば、自陣からでもチェルシーに反撃をすることができる。

 どちらのチームも限られた手段、限られた機会でのクリティカルな攻撃。先にパンチを入れるのがどちらか?という戦いに決着をつけたのはツィエク。芸術的な放物線を描いた。ミドルはロリスを越えてゴールネットに吸い込まれる。前節はほぼ喜ばなかったツィエクも控えめながら笑顔を見せたのが印象的だった。

 後半にはセットプレーからチアゴ・シウバが追加点。トッテナムを一気に突き放し勝負を決める。トッテナムは後半にプレスを強化したものの、エンジンがかかるのが少し遅かった印象。メンバー的にはドハーティ、ベルフワインなど前節のご褒美の意味合いもありそうだったトッテナムだったが、この日は完敗に。

 行けると思ったCL争い兼クラスのチームが、勢いに乗れていない3強に負けるのは今季のプレミアのあるあるでもある。近づいても影は踏ませない。ひとまずはチェルシーはCL出場権争いに巻き込まれることを回避したようだ。

試合結果
2022.1.23
プレミアリーグ 第23節
チェルシー 2-0 トッテナム
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:47′ ツィエク, 55′ シウバ
主審:ポール・ティアニー

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