必然以外の何者でもない
結果だけを見れば早々にニューカッスルがカタをつけてレスターに力の差をまざまざと見せつけたと判断する試合だろう。残念ながら実際に試合を見ても、書き出しのこの文章は全く間違いではないというか、むしろ結果以上に内容で差を感じた試合と言ってもいいだろう。
立ち上がりにニューカッスルが得たPKは出会い頭の事故でもなんでもなく必然。ファエス→スマレのパスミスからショートカウンターを受けて、対応したアマーティがファウルを献上した。もちろん、ファエス→スマレのパスミスは致命的なものではあったが、それを差し引いたとしてもアマーティの対応は非常にお粗末。厳しい状況を考慮しても安直なプレーと言わざるを得ない。ファンならばうな垂れたくなるものだろう。
このPKのシーンの前後にもレスターには危険なシーンがたくさん。バックラインのシェアのフィードからサイドの裏のスペースにボールが出ると、この動きにレスターのDFラインは完全に翻弄される。動かされたバックラインは混乱しながらニューカッスルに大きく横に揺さぶることを許し、最終的にシュートまで持っていかれるという状況の繰り返しだった。
7分にはニューカッスルが追加点をゲット。サイドでボールを受けたアルミロンがワンツーを使ってエリア内に侵入。いとも簡単にゴールを沈めて見せた。もちろん、アルミロンの今季の好調さが引き起こしたゴールではあるが、インサイドへの侵入をノーチェックで通したスマレの対応もお粗末そのもの。試合開始わずか7分で失点に直結する対応2つに加え、お腹いっぱいになるほどのシュートまでの持っていかれ方をしたレスターであった。
それでもレスターはボール保持においては可能性を感じないこともなかった。ニューカッスルの中盤より前はややプレッシングでかかっている感があったため、中盤で縦にボールを繋いでいくことでライン間でフリーの選手を作ることができていた。特に狙い目にしていたのは左のハーフスペース。ダカ、デューズバリー=ホールあたりがこのスペースからチャンスを作っていた。
しかし、試合の流れがレスターに行くほどの構造的な欠陥ではない。むしろ、32分にはセットプレーから決定的な3点目をニューカッスルがゲット。レスターは前半のうちに試合を決められてしまう。
後半も直線的なカウンターから敵陣に攻め込むのはニューカッスルの方。レスターはなかなか攻勢に出ることができない。イヘアナチョの投入から2トップに移行してからは、ニューカッスルが受けに回ったこともあり、ボールを握ることができる時間ができてくるが、終盤まで決定機を作ることはなかなかできなかった。
終盤に3トップを総入れ替えしたニューカッスルはプレスを巻き直し、緩んだ空気を変えてから試合を終わらせる。次節に向けてチームを引き締めてからゲーム終了のホイッスルを聴いた。
ひとこと
完勝だったニューカッスル。ただ、前半の中盤くらいからやや簡単にライン間に入り込まれてしまった感があるのは今後を見据えても少し気になる部分ではある。レスターはそもそもの弱みであるバックラインの脆弱さをニューカッスルによって早い時間から暴かれてしまった試合だった。
試合結果
2022.12.26
プレミアリーグ 第17節
レスター 0-3 ニューカッスル
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
NEW:3′(PK) ウッド, 7′ アルミロン, 32′ ジョエリントン
主審:ジャレット・ジレット