■またしてもあの男がエンディングを飾る
毎度毎度劇的な結末と小競り合いがおなじみ。日本のファンにとってはやたらキックオフ時間が厳しいことが多いM23ダービーである。今回もフライデーナイト開催。リアタイするには5時起きが必要であった。
試合はブライトンの保持のモノトーンな展開。パレスは今季は積極的に取り組んでいるプレッシングに出ていくことはなく、ホジソン時代を彷彿とさせるような待ち構え方を見せていた。
保持で押し込むブライトンだが、チャンスを作るのは縦方向の鋭い抜け出し。10分手前のシーンのようにミスで抜け出したククレジャがトロサールにラストパスを送り決定機。保持をしつつも、チャンスメイクは縦パス一気!というのは最近のブライトンのあるあるである。シュートが決まらないのもあるある。
ブライトンは右のハーフスペースからの抜け出しを軸にチャンスを作るように。出し手はウェブスター。これに気づいた守備側のシュラップが慌ててブロック守備からフィードを潰しに動き出す!という構図だった。
なかなか前進できないパレスは限られた機会を左サイドに全振り。いつものように3-2-5でピッチ全体を使うスタイルではなく、逆サイドのオリーズまで積極的に左に流れながら壊す形。しかしながらクロスに合わせる選手が足りず、チャンスメイクは質も機会も十分ではない。左右に振りながら、ファーのクロスに飛び込む人員を用意できるブライトンが優勢に試合を進める。
ブライトンは先制のチャンスとなるPKを獲得。CKの流れからヒューズがフェルトマンを掴んで倒してしまう。OFRでPKを得たブライトンだったが、グロスのキックは中途半端に。真ん中に残っても、右に飛んでも止められる甘い位置に蹴った結果止められてしまった。止められたPK直後のCKからモペイが押し込むが、こちらはOFRで得点取り消し。めっちゃOFR連打されていて笑った。
後半は前半と比べてオープンに。ブライトンも勢いを持ってPA内まで攻め込めていたし、前半はシュートがなかったパレスも後半早々に右サイドに抜けるギャラガーからシュート機会を作ることができた。
幅を使えて両サイドから攻めることができ、中央ではモペイのポストから深さを作れていたブライトンの方が後半も優勢。だが、アンカーであるララーナの負傷で3バックへの変更を余儀なくされる。このシステム変更でパレスのプレスが噛み合うようになったのはブライトンにとって不運だった。
そして先制したのはパレス。徐々に間延びしてFWの帰陣が遅れるようになり、バイタルが空く機会が増えてきたブライトンの隙をパレスがついた格好。シュラップでラインを下げて、空いたバイタルをギャラガーが強襲し先制する。
困ったブライトンは捨て身の4バック回帰。ランプティとマーチという右サイドのアタッカー重ね作戦でクロスを入れまくる。受ける機会が増えたパレスに対して、決定的な働きをしたのがモペイ。手薄になった左サイドから侵入し、アンデルセンのオウンゴールを誘発。
色々あった試合だが、最後はモペイが振り出しに戻すという結末は前回大戦と同じ。またしてもパレスファンの脳裏に嫌な思い出を追加したブライトンがアウェイ戦と同じく終盤に勝ち点を拾う結果となった。
試合結果
2022.1.14
プレミアリーグ 第22節
ブライトン 1-1 クリスタル・パレス
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRI:87′ アンデルセン(OG)
CRY:69′ ギャラガー
主審:ジャレット・ジレット