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「Catch up UEFA Champions League」~2022.9.13 UEFAチャンピオンズリーグ グループB 第2節 ポルト×クラブ・ブルッヘ~

攻守に左右非対称で旋風を巻き起こす

 開幕節でレバークーゼン相手に勝利を挙げて驚きを提供したクラブ・ブルッヘ。勝ち点3を早々に携えてポルトの本拠地に乗り込んでいく。

 立ち上がりにボールを持つことになったのはブルッヘ。彼らの保持は左右非対称である。全体的に左サイドを片側だけ上げる形でボール保持をしている配置がブルッヘの特徴である。3バック気味に変形し、SBは高い位置を取る。SH気味の20番のヴァナケンがインサイドに絞っていく。

 こうなると、一般的な3-2-5の保持の変形のようにも見えるのだけど、ブルッヘの3-2-5で特筆すべきポイントは9番のユトグラと19番のソワーのコンビが2トップ気味に立っていることである。中央だけ2トップがプレーエリアをシェアする形になっており、綺麗に均等に配置された5レーンとは異なった風情のものだった。

 これに対してポルトは4-4-2における、2トップが縦並びに変更。アンカーをケアしつつ、バックラインのチェイシングは1枚だけ。これもまたブルッヘのボール保持の時間が長かった大きな理由となるだろう。

 一方のポルトの保持はブルッヘに比べると直線的に進む動きと安全な横パスのメリハリが非常にはっきりしていた。急ぐところのスイッチを入れるところと、そうではないところを使い分けながら前進を狙っていく。しかしながら保持における安定感はブルッヘの方が上。攻める機会を多く確保しながら相手陣内の攻略にトライする。

 攻撃の決め手になったのはブルッヘの2トップだった。この2人で抜け出すシーンを作ると、慌てたマリオが抜け出した選手を倒してブルッヘがPKを獲得した。

 この先制点以降、ポルトがボールを保持をする場面が徐々に増えていくようになった。大外のレーンはSBが固定。2列目はポジションを自由に取りながらビルドアップの関与、サイドの攻撃のヘルプ、そしてエリア内の侵入のいずれかに注力していく。基本的にはサイドチェンジは行わず、縦に駆け上がったらそのままクロスまで突き進む。よって、アタッキングサードにおいては片側のサイドとエリア内に人を集める傾向になっていく。

 ブルッヘはポルトの攻め上がりに対して、左右非対称で対応。右のSHのオルセンは左のSBとして上がっていくサヌーシについていく形で5バック化して行った。逆サイドはマリオの攻め上がりをスルーしていたことを踏まえると、この対応はこちらのサイド限定。5-4-1気味の布陣でポルトのパワープレーを凌いでいく。

 1-0のままハーフタイムを迎え、ポルトは巻き返したいところだが後半開始直後に試合を動かしたのはブルッヘ。ライン間の縦パスから一気に加速し、再び2トップ主体の形で追加点を奪い切って見せる。

 交代策を使いながら巻き返しを狙うポルトだが、一度ボールを持ち直すと安定感が出るブルッヘに対してテンポを握り切ることができない。ポルトにペースを握ることを許さないブルッヘはさらに追加点をゲット。左サイドからのスローインを逆サイドまで繋ぎ、オルセンが流し込んで3点目を決めた。

 3点リードでも引きこもる選択肢をとらないブルッヘ。ポルトに正面からガンガンぶつかっていく。終盤までポルトの追撃を封じると89分には4点目をゲット。ポルトの本拠地で驚きの大勝を見せたブルッヘ。予想外の連勝スタートでグループBに旋風を巻き起こすこととなった。

ひとこと

 3-2-5基調というオートドックスな部分と2トップを生かすためのアレンジのバランスがとても心地いいブルッヘだった。

試合結果

2022.9.13
UEFAチャンピオンズリーグ
Group B 第2節
ポルト 0-4 クラブ・ブルッヘ
エスタディオ・ドラゴン
【得点者】
BRU:15′(PK) ジュグラ, 47′ ソワー, 52′ オルセン, 89′ ヌサ
主審:タソス・シディロプロス

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