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「Catch up La Liga」~2023.1.29 ラ・リーガ 第19節 レアル・マドリー×レアル・ソシエダ ハイライト

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レミロの壁が首位追走の足止めに

 首位のバルセロナを追いかけるために負けられない戦いが続くレアル・マドリー。クラブW杯の参加もあるため、他国のCL参加組よりもここから一足早く過密日程に突入することとなる。

 そんなマドリーに今節立ちはだかるのはソシエダ。CL出場権争いでは後続に差をつけての3位をがっちりとキープ。マドリーにとっては厄介な相手との一戦になる。

 試合の立ち上がりは比較的高い位置からのプレスの掛け合いとなった。ソシエダにはそういった戦い方をするイメージがあったけども、マドリーは比較的大一番でも序盤はゆったり入ることが多かったイメージなので、最終ラインにも積極的にプレスをかけていく姿は新鮮だった。

 ヴィニシウスが前に残るケースや、バルベルデが列を上げるケースなど、いくつかのパターンを使い分けつつベースは4-3-3→4-4-2の変形が行われるマドリーのプレッシング。高い位置からのプレスをWGが行った際に、セバージョスやバルベルデなど背後をカバーできる運動量を持っている選手がIHに起用されているのがこの日のマドリー。積極的なプレッシングの要因の1つかもしれない。

 ソシエダはプレスでマドリーのプレスを回避しつつ、司令塔のスビメンディを軸にライン間への縦パスを狙っていく。トップのセルロートや久保はもちろん、オヤルザバルやメンデスもインサイドでパスを受ける形を狙っていく。特にメンデスは低い位置で受けることが多かった。

    ソシエダの攻撃で最も効果的だったのは左サイドからムニョスのオーバーラップをうながせたとき。スピードに乗ったムニョスのクロスからはマドリーのゴールを脅かすチャンスが生まれていた。

 ただ、ソシエダはマドリーのプレスに詰まらされてしまうと苦しい。一発でマドリーのバックラインに競り勝てるほどの手段は見つからず、高いラインに跳ね返されてしまう。初手でのプレスを回避できるかどうかがソシエダのビルドアップの生命線になっていた。

 一方のマドリーの保持に対してソシエダは中盤マンツー気味でプレスを行う。久保のプライオリティはバックラインよりも中盤。バックラインにプレスをかけていくのはWGの仕事だった。サイドにボールを追いやった時には非常に大きな横スライドをしていくことがソシエダの守り方の特徴で、マドリーは相手を片側に寄せての逆サイドの展開からチャンスを作っていた。

 さらにハイプレスを回避してスピードに乗られるとマドリーは好機につながる。特にヴィニシウスとロドリゴ、バルベルデ等のアジリティにはソシエダのバックラインが対抗できず、後手後手に回る。ドリブルで細かいスペースの穴を空けていたヴィニシウスとロドリゴは特に厄介であり、マドリーの選手たちは彼らが生み出していたスペースに抜け出す形でのソシエダの陣内に攻め込んでいった。

 崩しの局面ではパーフェクトだったヴィニシウスだが、この日のフィニッシュに合格点を与えるのは難しい。レミロが抜群のセービングを見せていたのは確かだが、さすがにこれだけのチャンスがあれば決定力不足を言い渡されても仕方がない。特に前半終了間際の決定機は是が非でも仕留めたかったところだろう。

 後半は前半以上にマドリーにソシエダが押し込まれる展開になる。それでもソシエダは反撃のプレスの手を緩めず、時には中盤のボール奪取からカウンターが出来ていたのは地力を感じる部分である。久保は右のハーフスペースを主戦場にマドリーのエリア内に入っていく形を増やす。特に抜け出す形での決定機は決めたかったところ。ヴィニシウスと同様に久保にもまたこの試合を決めるチャンスが何度か訪れた。

 しかしながら、ソシエダは選手交代で徐々に重心を後ろに下げる。特にSHは低い位置まで下がり、6バック気味に守ることも珍しくなくなった。最終ラインに負傷者が出てしまい、スビメンディがCBに入ったことも、ソシエダの後ろ重心の采配に関係しているかもしれない。

 対するマドリーはモドリッチを投入し、さらにボール保持を整える。ボールのキャリーと高い位置での攻撃関与を両立できるモドリッチはポゼッションの質をワンランク上げるのにこれ以上ない人材である。WGとSBの2人で一本調子になりつつあったサイド攻撃にも顔を出しつつ適切なかじ取りをする姿はさすがであった。

 だが、そんなモドリッチをもってしてもソシエダをこじ開けることができない。この日はレミロがとにかく当たっていた。最後までチャンスを生かせなかったマドリーが首位追走に手痛いドローを喫した。

ひとこと

 次はシルバがいるほうのソシエダを見たい。

試合結果

2023.1.29
ラ・リーガ 第19節
レアル・マドリー 0-0 バルセロナ
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
主審:メレーロ・ロペス

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