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「Catch up UEFA Champions League」~2022.10.26 UEFAチャンピオンズリーグ グループC 第5節 バルセロナ×バイエルン~

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鬼のプレス回避

 インテルとのホーム&アウェイの180分を終えて苦境に立たされたバルセロナ。インテルがこけてくれないことにはグループステージ突破の兆しすら見えない。この試合前にインテルはすでに勝利を挙げているため、バイエルン戦を前に敗退が決定するというモチベーションが厳しい状況での一戦となった。

 バルセロナは非常に慎重にゲームに入った。WGの守備位置は比較的低く、バイエルンのSBが基準となる。バックラインにはプレッシャーを過度にかけず、レバンドフスキが前に1枚残る形で待機していく。

 バイエルンはボールを持つことを恐れないウパメカノとデ・リフトがレバンドフスキの脇から侵入していく。ゴレツカは1列前に入り、SBもほぼ組み立ては免除なので、バイエルンのビルドアップはほぼCB+キミッヒ+ノイアーの4枚で行われた。

 ただし、バイエルンがマイナスのパスを出した時にはバルセロナがスイッチを入れて追い回す。バルセロナがハイプレスに来ると、躊躇なくバイエルンの中盤はポジションをグッと下げる。マンマーク気味に捕まえてくるバルセロナはきっちりバイエルンの選手にアプローチをかけていたが、ワンタッチの落としを繰り返すことでバイエルンはプレスを見事に回避していた。

 バルセロナのハイプレスとの駆け引きがバイエルンの先制点のきっかけを生み出す。チュポ=モティングへの縦パスをきっかけにフリーマンを作るパス交換を行うバイエルン。ハイラインのバルセロナの裏のスペースに走り込むマネにパスを送り独走の状態を生み出すと、そのまま1on1を制して見せた。

 ペドリのハイプレス起動が連鎖的に外されていったので、失点シーンは彼だけの責任ではないが、アーセナル時代から何度も外されてきたマネにまたしてもベジェリンがやられてしまうというのはどこか既視感があった。

 バルセロナの保持に対してもバイエルンは厳しくチェックをかけていく。基本的な配置はバルセロナと似ており、チュポ=モティングが最前線に構える形だが、WGのグナブリーがスイッチを入れると全体の陣形が押し上がり、一気にバックラインにプレッシャーがかかる。バルセロナもレバンドフスキに長いボールを当てる形で抵抗するが、なかなか時間を作ることが出来ず。ロングカウンターを一手に引き受けるデンベレの存在が唯一の希望だった。

 明らかに優劣がついた展開になったこの試合。相手のハイプレスに対して明確な形を作ったバイエルンが順当に追加点を挙げる。後方の4-3で相手のプレスを引き付けたバイエルンはここから加速。前3枚の擬似カウンターであっさりと追加点を決めて見せる。

 対するバルセロナも前半の終盤にデンベレのドリブルからレバンドフスキがPKを獲得するが、OFRでこの判定は取り消し。バルセロナは追撃のチャンスを失う。

 2点リードを得てからリトリート+ロングカウンターに専念したバイエルンに対してバルセロナは苦戦。3-1-6という自由度の高い配置の割にポジションを入れ替えながらメリットを押し出していくアクションがあまり出てこないのが気になるところである。

 攻撃的なタレントを増やす4-2-3-1を投入しても大きな流れは変わらず、バイエルンの牙城は揺るがない。バルセロナからしても敗色濃厚な状況からひっくり返しを狙うモチベーションがない状況である。

 試合は最後にバイエルンがダメ押しの3点目を決めて終戦。バルセロナにとっては本拠地でGS敗退の追い討ちをかけられる苦い敗戦となった。

ひとこと

 バイエルンのプレス回避は鬼。近くと遠くの使い分けが上手。

試合結果

2022.10.26
UEFAチャンピオンズリーグ
Group C 第5節
バルセロナ 0-3 バイエルン
カンプ・ノウ
【得点者】
BAY:10‘ マネ, 31’ チュポ=モティング, 90+5‘ パヴァール
主審:アンソニー・テイラー

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