プレスはいなせるが決め手には欠ける
ACLも終わり、上位陣の追撃をしていきたい浦和。負けこそないものの勝ちきれない試合も多く、思うように勝ち点を積み重ねられていない。対する横浜FCも残留争いを回避するためにも少しでも勝ち点を手にしておきたい状況である。
横浜FCはシンプルにマルセロ・ヒアンめがけたロングボールを行っていく。バックラインに対する浦和のプレッシャーはそこまで強烈ではなく、横浜FCはロングボールを準備を整えてから入れることができていた。特にホルダーが相手を捕まえていなくても長いボールを選択していたので、横浜FCは割と能動的にロングボールを選択していたのだろう。
横浜FCのプランとしては、一発でロングボールを収めることができなくても、長いボールを入れてセカンドボールを拾えればOKという感じ。前線のプレスは浦和よりも積極的で、高い位置から追い回す頻度も高い。特にヒアンがGKまで出て行った時はチーム全体で押し上げたプレスを行う。
15分も経てば浦和のボール保持に主導権は回ってくる。しかしながら、なかなか思うようには攻められず。インサイドに差し込むパスから前進したい浦和だが、横浜FCのプロテクトも厳しくインサイドからは攻め込むことができない。
撤退守備に対しては外からクロスを入れていく形を行う浦和。空中戦ではなかなか勝機を掴むことができない。
高い位置からのプレッシングを外すところから浦和にはチャンスがあったが、カウンターがやや一本調子。手前を使えずに急ぎすぎてしまうあたりで横浜FCの守備網に引っかかってしまう。強気のプレスはショートカウンターのチャンスを生み出せてはいなかったが、無理なくカウンターを受け止めることもできていた。
横浜FCは後半はさらにプッシュ。プレスの頻度を引き上げながら敵陣にプレッシャーをかけていく。浦和は前半よりもプレス回避に専念することとなった。浦和が脱出に成功したのは53分。抜け出してのチャンスを作ったのは大久保。プレス回避には10分くらいかかったことになる。
浦和は興梠、安居のポストから両WGを活用した手早い攻撃で反撃に出ていく。ただ、もう少しWGには決定的な仕事を求めたいところ。ファストブレイクをやり切れないところは物足りなさを感じる部分でもある。
横浜FCは相手に負荷をかけることができてはいたが、ゴールに近づけている感じはしない横浜FC。浦和も決め手に欠ける同士、展開は膠着していく。
セットプレーや空中戦が決定的な働きを見せそうな試合。終盤に押し込んだ浦和が92分に迎えたカンテの決定機が最もゴールに近づいた瞬間だったかもしれない。
しかし、このシュートでネットは揺れず。試合はスコアレスドローで幕を閉じた。
ひとこと
浦和はどこが相手でも寝かせるのは上手いけど、オープンに誘い込む相手に対して得点の可能性を引き上げるのはあまり得意じゃないんだなという感じ。
試合結果
2023.6.11
J1 第16節
横浜FC 0-0 浦和レッズ
ニッパツ三ツ沢球技場
主審:清水勇人