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「Catch up Liga Portugal」~2023.2.27 ポルトガルリーグ 第22節 スポルティング×エストリウ ハイライト

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両サイドの攻略を黙々と進めて順当勝利

 まずは3バックで落ち着いてボールを握るスポルティング。この日の相手であるエストリウは4-2-3-1という4-4-2基調のフォーメーションかつ、SHの守備基準がWBにあったため、落ち着いてボールを持つことが出来た。

 スポルティングはバックラインの3枚+守田という4枚がビルドアップにおけるユニットの基本線。WBは枚数がビルドアップに関与せず前線に張り、守田の相棒であるCHのゴンサウヴェスも縦関係となり前線に入り込む。

 大外はWBが取るので一見5レーンっぽいが、前にはゴンサウヴェスも入り込むので実質前は6枚。レーンの位置も自由度が高かったため、エストリウの守備陣はやや基準が見つからずに苦戦していた。

 押し込まれる苦しい状況になったエストリウ。おそらく理想としては、ボックス型のビルドアップで中盤が降りる動きを見せるというオーソドックスな組み立てから糸口をつかみたかったのではないか。しかしながら、実際にはそのようにゆっくりボールを持つ機会を作るのは難しい。ロングカウンターからカッシアーノを目掛けてワンチャンスというのが現実的な落としどころだったように思う。

 ボールを前に運ぶチャンスも限定的になるくらい、試合はスポルティングは支配していたといっていいだろう。攻略はサイドから。WBとシャドーの2人が軸となり、片方が止まると、片方が追い越すように動きを出しながら深さを作っていく。ゴンサウヴェスはもっぱらエリア内の厚みを出す役割として起用されており、サイドのフォローは守田とワイドのCBが行うこととなっていた。

 攻撃において武器になっていたのはペナ角付近からボールを持つエドワーズのインスイングのクロスだ。ラインが下がる形の応対となるため、守る側は難易度の高い形を警戒することになる。ただ、この試合で実際に得点につながったのは左サイドからのクロス。CFのパウリーニョが収める形を作り、ベジェリンが抜け出す形を作って先制点を奪う。

 スポルティングはボールを失ったらすぐさまマンツー気味のプレッシングで即時奪回を行う。奪ってからは再びサイド攻撃からエリアに迫るという流れで延々と攻略を続けていく形で試合を支配していた。

 リードで迎えた後半も支配的だったのはスポルティング。左シャドーのトリンコンが後半はキレキレ。1人で数人のDFを切り裂く形からあっさりと試合を決める追加点を決めて見せる。ブロック守備を個人で切り裂いていく姿はまさに圧巻だったといえるだろう。

 追加点後はやや即時奪回の手を緩めた感があったスポルティング。エストリウは保持の時間を得られるようになるが、なかなかスポルティングのブロック守備を出し抜いてゴール前は向かうことができない。ボールを刈りに行く形で奪うのもあまり得意ではない様子なので、圧力もかかりにくい。前半よりもスポルティングの攻撃の時間を減らす以上の意味合いを見出すことは難しかった。

 試合は格上のスポルティングが順当勝利。上位陣の追走を目指しての勝ち点獲得に成功した。

ひとこと

 かなりバランスが攻撃に寄っていた感じではあるが、CLを見る限りは基本的には同じフォーメーションで欧州カップ戦の試合を進めていくイメージでいいと思う。変えるとしたら守田やワイドのCBの攻撃参加を抑制して守備に傾倒するバランスを取るとかになるだろうか。

試合結果

2023.2.27
ポルトガルリーグ 第22節
スポルティング 2-0 エストリウ
エスタディオ・ジョゼ・アルバラーデ
【得点者】
SPO:40‘ ベジェリン, 51’ トリンコン
主審:マヌエル・モタ

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