■要所に見られた強度の差
久しぶりにCLの舞台に舞い戻ったミラン。その相手はCLで何かと因縁が深いリバプールとの一戦である。そんな欧州最高峰の舞台での復帰戦は苦しい立ち上がりとなった。
リバプールは高い位置からのプレッシングでミランにインテンシティの違いを見せる。強度はもちろん、高い位置からミランのミスを誘発するようなプレッシングで徐々にミランの選択肢を奪っていく。
そんな形で押し込まれ続けるミラン。先制点は右サイドを崩される形から。ヘンダーソン、サラー、アレクサンダー=アーノルドの旋回で相手のマークをずらしてからのクロスで好機を演出すると、トモリのオウンゴールを誘い先制する。
その勢いのままさらにPKをゲットするリバプール。だが、このPKをサラーが沈められず、序盤の勢いでたたみかけることができなかった。すると、徐々にプレスラインが下がってくるリバプール。ミランがボールを持てる時間が増えてくると、前半終了間際に立て続けにディアス、レビッチが得点。
ミランのアタッカー陣で目についたのはこの2人に加えてサイドから加速できるレオンだろうか。落ち着いて組むことさえできれば、アタッカー陣はこの舞台でも十分にやれることを示すことができたのはミランにとってはポジティブ要素だろう。
逆転してハーフタイムを迎えたミランだったが、後半頭は再びリバプールの時間に。サラーがPK失敗の雪辱を晴らす同点弾を決めて後半早々に試合を振り出しにもどす。
後半は中盤でのプレスが互いにかからなくなり、間延びした展開が続くが、前線のアタッカーの強度がやや落ち気味のミランはここでも少々劣勢になっていく。
すると試合を決めたのはリバプール。セットプレーの流れから打ち込んだのはヘンダーソン。今のクロップリバプールの象徴と言える主将が試合を決める一撃を放った。
その後はリバプールが受ける展開が続くが、攻撃的なタレントを投入し続けるミランはどうしてもスピードアップにかけてしまう。そのままリバプールにだらっと寝かされてしまい試合は終了。ミランの久しぶりのCL復帰初戦は、一足先に暗黒時代を超えてビックイヤーを再び掲げたリバプールに要所で強度の違いを見せつけられた一戦となった。
試合結果
2021.9.15
UEFAチャンピオンズリーグ
Group B 第1節
リバプール 3-2 ミラン
アンフィールド
【得点者】
LIV:9′ トモリ(OG), 48′ サラー, 69′ ヘンダーソン
MIL:42′ レビッチ, 44′ ディアス
主審: ジュネイト・チャキル