原口元気の根性キャリーが同点を呼ぶ
今季のシュツットガルトの試合を見るのは2回目である。1回目はバイエルン戦、そしてこのフランクフルト戦が2試合目である。
バイエルン戦のシュツットガルトはオールコートでのマンツー主義だったが、この試合のシュツットガルトは別にそんなことはなかった。よって、バイエルン戦はある程度対策色が強かったプランだということだろう。
プレッシングはサイドに追い込むのが基本線でそういう状態ができるまでは無理に追いかけまわすことはしない。ボールを奪ったら素早いプレッシングで前に出て行くというエッセンスはバイエルン戦と同じ。あの試合ほど極端ではないが、プレッシングからボールを奪って縦に早くというのはチームの骨格としてあるのだろう。
フランクフルトはこのシュツットガルトのプランにだいぶ苦戦していた。いつも以上に3トップは流動的なポジションを取りながら調整していたが、なかなか中盤のスペースをこじ開けられない。前半の終盤くらいからIHを横に釣りだしながら縦パスを入れるアクションがようやく通用するようになった。まぁ、それがなくともコロ・ムアニを使えばあっさりと前にボールを運ぶことはできるのだけども。
フランクフルトのプレッシングはそこまで前には出て行けない様子。よってシュツットガルトのバックラインは余裕をもってボールを持つことが出来た。フランクフルトのアタッカー陣はややナローにポジションを取っていたこともあり、SBからボールを運べる。しかしながら、中盤以降ではボールを運べずに苦戦。フランクフルト以上の停滞感でなかなかチャンス構築ができなかった。
迎えた後半、フランクフルトはサイドの裏から押し下げる動きに注力。クロス主体の攻撃に切り替えていくことに。シュツットガルトはコロ・ムアニ対策を実施。独力でボールを運べてしまう彼を封じるために、中盤がラインを下げてDFラインとサンドする形で相手からボールを奪い取っていた。
その結果、前半よりも明確にフランクフルトが敵陣でプレーし、シュツットガルトが低い位置でブロックを組む時間が増えるように。押し下げられてしまうと陣地回復の手段がなく、苦しいシュツットガルト。バイエルン戦で極端なプランを敷いたのはこういった背景もあるのだろう。貴重なカウンターの機会をハンドで潰してしまったペレアはもったいなさが残る。
押し下げたフランクフルトは順当に先制。裏抜けするローデからクロスを上げて、セカンドを回収。わちゃわちゃしたところに再びローデが詰めて先制点を奪う。
貧窮しそうな展開になったシュツットガルトだが、陣地回復をここで頑張ったのが原口。中盤からの根性のキャリーからムブンパのゴールをアシストし、同点ゴールを呼び込む。この時間帯の根性のキャリーはまさしく原口元気ここにありといった感じでなかなか感慨深いものがあった。
交代後に入ったミロもキャリーでは頑張っており、終盤はプレスラインが下がったフランクフルトと互角以上の展開を演じたシュツットガルト。なんとかドローをもぎ取り、勝ち点を分け合う結果となった。
ひとこと
マジでこれどうするんだろう?からの原口は本当によかった。ワールドカップは残念だったが、まだまだ海外での活躍が楽しみになった。
試合結果
2023.3.11
ブンデスリーガ 第24節
フランクフルト 1-1 シュツットガルト
コメルツバンク・アレナ
【得点者】
FRA:55‘ ローデ
STU:75’ ムブンパ
主審:ロベルト・ハートマン