■専守からの変容を見せる5-3-2
チェルシー戦でいい手応えだったものの、結果が出なかった5-3-2を継続しているアストンビラ。アルゼンチン代表遠征で一悶着あったブエンディアがスカッドに戻ってきても、この形を変えることなく継続している。
見た目こそ5-3-2だけど、比較的専守っぽかったチェルシー戦と比べるとアストンビラは徐々に変容を見せているように思う。攻撃においては一気にロングカウンターを仕掛けるわけではなく、大外のWBを活用しながら幅を取りつつ徐々に進んでいく。トップのFW2人がサイドに流れることにも積極的。ユナイテッドの4枚の横幅の大外を回るように攻略を狙う。
15分近辺にあったキャッシュ→ターゲットの決定機はWBからWBへのクロス。この日のアストンビラの狙いの一つだろう。決まらなかったけども。5-3-2だけど、幅を使いながら前進。アストンビラはこのシステムの中でできることの範囲を広げようとしているのかもしれない。
対するユナイテッドはこのアストンビラの横幅を使った攻撃をカットしたところからカウンターを狙う。割とアストンビラは引っかけるのである程度チャンスの頻度はあるのだが、ロナウドがいるとどうも一度落ち着いてしまうのが気になる。グリーンウッドが必死にゴール前まで運んでも、ロナウドがゴール前で一度止まる。ここまでは点を決めているのでなんとも言えないところだが、展開によっては怪しい部分も見え始めている。
遅攻はユナイテッドも大外から。大外からドリブルで破壊するか、ラインを押し下げてポグバかブルーノ・フェルナンデスのミドルが王道パターン。ミドルにはめっちゃ積極的なため、決定機はそこまで多くないものの、シュート数はやたら増えていく感じ。
そんなユナイテッドが苦しんだのは負傷者だ。前半にはショウ、後半はマグワイアとバックラインが次々と交代。この試合だけでも痛いが、ミッドウィークには初戦で手痛い敗戦を喫したCLが控えている。ここでどちらかを欠くだけでも痛手である。
攻撃面ではルーク・ショウの欠場が痛く、後半からペースはアストンビラに。ワトキンスは決定機まで持ち込むもデヘアに阻まれており、メンディに止められまくったチェルシー戦がフラッシュバックした感じ。
だが、後半から勢いを得たアストンビラが終盤に先制点をゲット。ホウスがコーナーから仕留め貴重な得点をビラにもたらす。前半はユナイテッドにもかなりセットプレーのチャンスはあっただけに悔しい失点となった。
しかし、本当にユナイテッドが苦しんだのはここから。決定的な働きを見せたかと思ったホウスが後半追加タイムにハンドで今度はPKを献上。だが、このPKはブルーノ・フェルナンデスが枠外に。マルティネスのトラッシュトークが効いたのかは定かではないが、ユナイテッドが絶好の同点機を逃したのは確か。中断明けからどんより漂う停滞ムードを払拭できないままCLに挑むことになる。
試合結果
2021.9.25
プレミアリーグ 第6節
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 アストンビラ
オールド・トラフォード
【得点者】
AVL:88′ ホウス
主審:マイク・ディーン