ワンチャンスを活かしたスパーズが恵まれないブライトンを下す
CL出場権を直接争う両チームのシックスポインター。ブライトンがトッテナムのホームに乗り込んでの一戦となった。
低い位置からボールを繋ぎながらのチャレンジというと当然ブライトンの専売特許である。しかしながらこの試合はトッテナムも立ち上がりは同じお題にトライしていたと言えるだろう。
ブライトンはトッテナムのバックラインにプレスをかけ切ることは諦めつつも、中盤にはマンツー気味にプレスをかけていく。というわけで中盤では簡単にフリーマンを作ることができなかったトッテナム。だが、ファウルをとって地道に前進していくと、セットプレーの流れからソンが先制ゴール。大事な試合で展開を動かすゴールを決められていないソン。今季ようやく大仕事ができたといったところだろう。大きなゴールでトッテナムが先行する。
ブライトンの決定機はトッテナムのインサイドに刺していく意識を逆に利用する性質のものが多かった。ブライトンはトッテナムの中央の縦パスをカイセドがカットした流れで三笘がネットを揺らしてみせる。しかしながら、これはハンドでノーゴール。シビアな判定でゴールは取り消しになる。
ここからブライトンは5-4-1のブロック攻略の様相を呈する。引いて受けるトッテナムに対して、押し込むながら崩すトライを続けるブライトン。狙いが報われたのは34分。セットプレーからダンクのゴールで同点に追いつく。
ここからさらに勢いに乗ってブロック攻略を行うブライトン。食いつきが良くなったトッテナムに対して、中央を広げてはインサイドに差し込んでいくなどの工夫を見せるなど、さすがと言いたくなるようなこじ開け方をしていた。
トッテナムもブライトンの撤退守備に挑む形で前半の残り時間を過ごすことに。大外のWB、シャドーを軸にサイドからラインを押し下げてクロスを狙っていく。
タイスコアで迎えた後半、ブライトンは継続路線を選んだのに対して、トッテナムは手早いラインブレイクを軸とした攻撃にシフトチェンジ。両チーム異なる攻略法で相手のブロックを崩しにいく。
どちらのチームもそれなりに答えにはたどり着いたと言えるだろう。ブライトンが生み出した決定機はいずれも十分に崩せたものだったが、この日は主審とVARが彼らに微笑むことはなし。ステッリーニにレッドカードというバランスの取り方で納得ができるブライトンファンはいないだろう。
一方のトッテナムの勝ち越しゴールもきっちりとファストブレイクから結果を出した形。右サイドを抜け出したホイビュアがマイナスに折り返したところをケインが仕留めて貴重なリードを奪う。
ワンチャンスであるが、このワンチャンスを仕留めたことで試合は決着。4位争いのライバルであるブライトンを下したトッテナムがニューカッスルとマンチェスター・ユナイテッドの追走に成功した。
ひとこと
ステッリーニの訳無き退場、画になりすぎている。こういうタイプの画になる監督もいる。
試合結果
2023.4.8
プレミアリーグ 第30節
トッテナム 2-1 ブライトン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:10’ ソン, 79‘ ケイン
BHA:34‘ ダンク
主審:スチュアート・アットウェル