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「変わりゆく流れに乗っかる」~2023.4.11 UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-final 1st leg ベンフィカ×インテル マッチレビュー~

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イタリア勢対決に王手

 国籍的には非常に極端に偏った今回のCLベスト8の抽選。インテルが勝てばその時点で準決勝がイタリア勢同士のマッチアップになることは決定する。そういった出来すぎなストーリーを唯一のポルトガル勢であるベンフィカが食い止められるかどうかという一戦になる。

 試合はベンフィカのゆったりとしたボール保持でスタート。GK、CHが間に入り2トップ脇から持ち上がる選手を作りながらの幕開けになる。

 ベンフィカが保持の局面が支配的になったかというとそういうわけではない。インテル側もバックラインが広がりながらサイドから運ぶ。どちらのチームも2トップ採用でかつプレッシングへの意欲が少なかった分、低い位置からのゲームメイクから保持側が落ち着いて試合を進める形となっていった。

 どちらかといえば立ち上がりに保持に自信を持ったのはベンフィカのように思える。インテルは若干インサイドのクロスへの対応が怪しく、とりあえずサイドをえぐってくるスタンスのベンフィカに対して後手を踏むようになる。

 インテルは押し込まれて危ない場面が増えたことを察したか、徐々にプレスを強めていく。ベンフィカのバックラインに積極的にプレスを仕掛けていき、高い位置から制限をかける形に時間の経過とともに変貌を遂げていく。

 押し込まれる危険性を感じてか、ベンフィカもこのスタンスに呼応するようにインテルのバックラインへのプレスを強める。よって試合はテンポアップ。ゆったりとした保持からどう崩すかといった静的な展開から、トランジっションの早い展開のどこに活路を見出すかの内容になっていく。

 テンポアップした状況にうまく対応できたのはインテルの方だった。プレスの脱出からのカウンターのチャンスで敵陣に押し込み、撤退守備に対してもファーに逃げるジェコへのクロスを徹底することで抗戦。徐々にベンフィカを押し込めていく。

 反撃に出たいベンフィカは左サイドからの攻勢で後半頭から巻き返しに出る。アウルスネス、グリマルドのデュオからインテルのゴールに迫っていく。

 しかしながら、先制点にたどり着くことが出来たのはベンフィカではなく、返す刀で左サイドから襲い掛かったインテルの方。ディ・マルコ、バスト―ニのコンビからサイド攻撃を行うと、ファーを狙ったクロスに飛び込んだのはバレッラ。前線への飛び出しが際立つMFからインテルはついに先手を奪っていく。

 その後もインテルは落ち着いた保持で試合をコントロール。低い位置からのビルドアップで相手を引き寄せて裏に行くなど、ポゼッションを相手のプレスの勢いを利用する機会として使っていた印象だった。ベンフィカは先制点後にがっつりとブロックを組むインテルに対して相当やきもきしていただろう。チャンスもないことはなかったが、得意のサイド攻撃が牙をむくことはなかった。

 すると、インテルが攻め立てる側に回ったタイミングでベンフィカはPKを献上。ジョアン・マリオのハンドによって、インテルは2点目を奪う。

 リターンレグに向けて大きな2得点を手にしたインテル。流れが細かく変わった難しい試合を乗りこなし、準決勝進出に王手をかけた。

ひとこと

 序盤の流れでは流れが悪くなると読んでアクセルを踏んで流れを変えたインテルは見事。したたかさでベンフィカを上回っていた。

試合結果

2023.4.11
UEFAチャンピオンズリーグ
Quarter-final 1st leg
ベンフィカ 0-2 インテル
エスタディオ・ダ・ルス
【得点者】
INT:51‘ バレッラ, 82’(PK) ルカク
主審:マイケル・オリバー

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