前半の拙い守備が大一番の命取りに
第35節のトリを飾るのは残留をかけた大一番。奇跡の逆転残留のきっかけをつかみたいサウサンプトンと安全圏に逃げ出したいノッティンガム・フォレストのシックスポインターである。
立ち上がりにボールを持ったのはサウサンプトン。いつものようにバックラインが広がりながらボールを動かして前進のきっかけを探している。珍しかったのはノッティンガム・フォレストの守り方である。4バックにせよ、5バックにせよ彼らのトップの守り方は基本的にナローで前残り優先。しかしながらこの日は3トップが横に大きく開きながら守る形がメインだった。
保持においても広がるCBからショートパスを軸に前進。WGでSBをピン留めしてその背後にアウォニィを走らせる形からサウサンプトンのDFラインの背後を取る。
サウサンプトンのバックラインと中盤は縦パスを受けるフォレストの選手を積極的に阻害していくが、逆にフォレストはラヴィアの背後を取る形でカウンターを発動。DF-MF間でフリーマンを作りながら確実にカウンターの手順を踏んでいく。
先制点を奪ったのは試合の内容的にもリズムよく運べていたフォレストの方。自陣からのダニーロの大きなトランジッションで抜け出したジョンソンからの折り返しをアウォニィが決めて先行する。勢いに乗るフォレストはさらに追加点をゲット。立て続けにゴールを決めてリードを広げる。
2失点のサウサンプトンにはもう少しやりようがあったはず。1失点目はメイトランド=ナイルズがあまりにも簡単に抜け出されてしまっていたし、2失点目はボックスの手前で何か所か止められそうなポイントがあった。
サウサンプトンはダニーロ+ギブス=ホワイトのパス交換のミスからアルカラスが追撃弾をあげるが依然最終ラインのバタバタ感を拭うことが出来ず。ボックス内に人はいるけどもガチャガチャしており、やたらフリーの選手がいるという状況が多発する。トランジッションが絡むともはや絶望的である。
そして、前半の内にフォレストは3点目をゲット。メイトランド=ナイルズがあまりにも軽率なタックルでジョンソンを対してPKを献上。アルバレスの追撃弾を台無しにしてしまう。
後半も同じ流れになりつつあったが、セットプレーからサウサンプトンがリャンコのゴールで1点差に迫る。基本的にはオープンな試合だったが、これ以降はサウサンプトンが押し込みながらフォレスト陣内を攻略するフェーズに入っていく。
左右からのクロスを軸に徐々に攻勢を強めていくサウサンプトン。フォレストはカウンターから反撃に出る形で粘り続けていく。
なんとか追加タイムまで粘ったフォレストはこの時間帯に貴重な追加点をゲット。これで勝負をほぼ手中に収める。それでも96分にウォード=プラウズが1点差に迫るPKを決めた残り時間は4分は張り詰めたものに。
サウサンプトンは猛攻でゴールに迫るが、なんとかクロス攻勢を阻み続けたフォレストが逃げ切りに成功して勝ち点3をゲット。残留に向けて大きな大きな勝ち点3を手にした。
ひとこと
あまりにも前半の雑多な守備が悔やまれる。特にメイトランド=ナイルズは個人レベルでも決定的なミスを連発。残留のラストチャンスとなった試合でのプレーとしてはあまりに軽いものばかりだった。
試合結果
2023.5.8
プレミアリーグ 第35節
ノッティンガム・フォレスト 4-3 サウサンプトン
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:18′ 21′ アウォニィ, 44′(PK) ギブス=ホワイト, 73′ ダニーロ
SOU:25′ アルカラス, 51′ リャンコ, 90+6′(PK) ウォード=プラウズ
主審:マイケル・オリバー