またしてもミトロビッチから流れが変わる
フラムの今季のラストゲームはオールド・トラフォード。この地でプレーするのは今年2回目。多くの退場者を出した因縁のFA杯以来である。あの日から8試合の出場停止を課されたミトロビッチはシーズン終盤にようやく先発に帰ってくることができた。
ユナイテッドはCFとWGで高い位置からプレスに行く立ち上がりだったが、フラムのボール保持を前になかなかプレスがひっかからない。よって、無理することなくWGはSBをケアする立ち位置に変更するなど柔軟な変化を見せる。
フラムも非保持に回ればアンカー受け渡し型のマークを採用。相手のCBにはある程度余裕をもってボールを持たせてOK。お互いにある程度ボールを持つ時間を確保することができる立ち上がりになった。
あの日のFA杯と同じくいい入りをしたのはフラムの方だった。ボールを持ちながらユナイテッドのプレスを交わし、サイドからボールを運んで中央から横断して敵陣深くまで入っていく。そして、セットプレーから先行。テテのゴールで早い時間にリードを奪う。
さらには先制ゴールから数分後にフラムはカゼミーロのファウルでPKを獲得。突き放す絶好のチャンスだが、これをミトロビッチが仕留めることができず。試合を完全に持ってくるチャンスを逃してしまう形になってしまった。
PKを止めて踏みとどまったユナイテッドはここから反撃に。縦に早いパスを積極的につけていくことで、フラムの守備陣形に穴を開けていく。PKストップ以降、明らかに試合はユナイテッドペースに流れていた。
そして、そのプレーから同点。ライン間のブルーノ→抜け出したフレッジ→サンチョとつないでゴールをゲット。PKきっかけで得た流れをきっちりと同点まで結びつける。
後半のボール保持もユナイテッド。ラッシュフォードの抜け出しなど、前半のライン間のパスに加えて裏抜けのアクションを合わせることでさらにフラムの守備陣を悩ませる。
ブルーノの勝ち越しシュートもまさにこの形。後半もユナイテッドペースは止まらず。得点以降も中盤にエリクセンを入れることで縦パスの供給量を担保することで勢いを持続させることができていた。
フラムは高い位置を取ることができず終盤はじり貧。最後までプレスに出ていく姿勢は買うが、やはりPKを潮目に苦しい戦いに押し込まれてしまった感は否めない。
因縁の再戦は再びユナイテッドに軍配。テン・ハーグ政権1年目は3位でリーグ戦を終えることとなった。
ひとこと
ミトロビッチのPKはなんでこんなに決まらないんだろう。
試合結果
2023.5.28
プレミアリーグ 第38節
マンチェスター・ユナイテッド 2-1 フラム
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:39′ サンチョ, 55′ ブルーノ・フェルナンデス
FUL:19′ テテ
主審:ロベルト・ジョーンズ