前節のレビューはこちら。
前回のノースロンドンダービーの復習はこちら
Fixture
プレミアリーグ 第29節
トッテナム(3位/勝ち点60/20勝0分8敗/得点55 失点29)
×
アーセナル(4位/勝ち点56/17勝5分6敗/得点60 失点38)
【主審】アンソニー・テイラー
直近の成績
戦績
近年の対戦
13-14以降での14戦でトッテナムの4勝、アーセナルの6勝、引き分けが4回。
トッテナムホームでの直近10試合の対戦成績
トッテナムの5勝、アーセナルの2勝、引き分けが3回。
以下はBBCを基にしたプレビュー
Head-to-Head
・スパーズが勝てば1961年以来のホームでのリーグ戦のノースロンドンダービー3連勝。
・アーセナルが直近10回のアウェイのトッテナム戦で勝利したのは1回のみ。ロシツキーのゴールで勝利した2014年3月。(D3L6)
・これまで197回の対戦でアーセナルが82勝、スパーズが64勝。
【トッテナム】
選手情報
・アリとダイアーは欠場の見込み。
・臀部の痛みがあるヴェルトンゲンも欠場が濃厚。
Match Facts
・プレミア3連敗になれば2012年11月以来。この時も3敗目の相手はアーセナルだった。
・32試合引き分けがないのはプレミア記録。トップリーグ記録は28-29のポーツマスが記録した38試合。
・トップ6との今季の対戦は7戦して5敗。
・ポチェッティーノ就任以降、ホームゲームではアーセナルに負けなし(W3D2)
・ケインはノースロンドンダービーで8戦8ゴール。アデバヨールと並んでこのカードの最多タイ。
・ソン・フンミンは直近4試合の公式戦のホームゲームでいずれも得点を決めている。
・ポチェッティーノとアルデルワイレルドはこの日が誕生日。
【アーセナル】
選手情報
・コシエルニーは当日判断。(Emery hopes he will recover〜ってニュアンスでした。)
・背中の痛みがあったリヒトシュタイナーに復帰の可能性。ナイルズも病気から回復の見込み。
Match Facts
・直近6試合のリーグ戦で5勝。それ以前の13試合と同じ勝利数。
・直近7試合のアウェイゲームでの勝利は1つだけ。最も近いハダースフィールド相手にあげたもの。
・トップ6とのアウェイゲームは21試合未勝利。最後に勝ったのは2015年1月のエティハド(D7L14)
・アウェイでのクリーンシートがないプレミア唯一のクラブ。
・オーバメヤンは今季ロンドンダービーで6ゴールで最もたくさん得点を挙げている。
・ムヒタリアンは直近4試合のリーグ戦出場で4ゴール3アシスト。
予想スタメン
展望
過去のデータに則ればノースロンドンダービーは常にホーム開催チームが優勢という見立てになる。リーグ直近10年間のノースロンドンダービーにおいては、アウェイチームが勝ったのはわずかに2度だけ。アーセナルとトッテナムがそれぞれ1回ずつアウェイの立場で勝利を挙げている。20シーズンさかのぼってもアーセナルがトッテナムアウェイのリーグ戦で勝利したのは4回だけ。トッテナムの上にいるのが当たり前だった時代においても、アーセナルはトッテナム相手のアウェイゲームは苦手にしていた。このプレビューを見ているアーセナルファンの溜飲を下げるデータを紹介すると、トッテナムがアーセナルホームで勝利を挙げたのは10-11シーズンを除けば93年までさかのぼる。今回の対戦とは関係ないけども。
とは言えこの試合までの勢いはデータとは正反対だ。スパーズは苦しんでいる。CLのノックアウトラウンドの日程が決まった時からこの1週間は厳しいものになることは織り込み済みだった。チェルシー、アーセナルというロンドンダービーを中2日でこなした後に、ジグナル・イドゥナ・パークでドルトムントとCLのノックアウトラウンドの2ndレグを戦わなければならない行程だった。しかも1stレグにはケインとアリが不在となれば、2ndレグにもつれ込むのは必至。優勝争いに食らいつくプレミアとCLを天秤にかけるはず1週間になるはずだったのだ。
ところがふたを開けてみればCLの1stレグはドルトムントに3点リードを奪うという願ってもないアドバンテージを得る展開に。勝ち確!とまではいかないが、ドルトムントはスパーズのミスを期待しなければいけない状況になったのは確かだろう。それに加えてチェルシーでは内部分裂が発生。リーグの優勝争いとの二兎が見えたはずだった。しかし、チェルシー以前にバーンリーに苦杯をなめさせられ、当のチェルシーにも枠内シュート0での敗戦。おまけにダメ押しとなった追加点はトリッピアーがバックパスのコースを誤り自軍ゴールにボールが転がるという、後に引きそうな敗戦になってしまった。見返す時間がなかったので何があったかまではわからないが、リーグ戦においてはここが正念場なのは確か。勝利すれば余裕を持った3位キープになるが、負ければ下で待ち構えるミドル3が新たなCL出場権争いのライバル参入を歓迎することになる。
プレスの差し合いが肝になりそうなノースロンドンダービーの2日前にチェルシーとの試合に臨んだことは懸念だが、データから考えればスパーズ優位は動かない。出場が不透明なケインの処分についても続報が待たれるところだ。
サウサンプトン、ボーンマス相手にホームで連勝を飾ったアーセナル。降格圏に沈む相手とのホームゲームは大の得意分野だし、ボーンマスはそもそもエミレーツでの相性が抜群な相手。とはいえそれぞれクリーンシートと5得点での勝利となれば勢いがつくのが当然だ。ムヒタリアンを筆頭に攻撃陣も好調を維持している。プレスの差し合いになれば、体力面でもおそらく優位。チェルシー戦でプレスをはめ切った実績もある。スパーズのバックスの足元を考えれば、ハイプレスを敢行する可能性は低くはないはずだ。
懸念なのはサイドの守備。特に前節のレビューで触れた右サイドバックは不安要素。一応最も対人に優れて、トランジッションに向いているナイルズを予想スタメンでは書いてみたけど、ソンフンミンを筆頭にスピードがあるスパーズのアタッカーがここを狙い撃ちしてくると怖い。
過去のデータから見ればトッテナムが、直近の勢いから見ればアーセナルが優位。おそらくウェンブリーでは最後のノースロンドンダービーとなるはず(なるよね?笑)。そしてチェフやラムジーにとっても最後のノースロンドンダービー。CL争いのしばき合いにトッテナムを巻き込むことができるのか。注目度の高いランチタイムのゲームになりそうだ。