交代で宙に浮いた流れをワトキンスが引き戻す
共にホームのユニフォームはえんじ色。トップハーフで上位勢に食い下がる実力派の両チームによる一戦だ。
試合は保持のビラ、非保持のウェストハムという構図。先制攻撃を仕掛けたのはカウンターを軸とするウェストハム。右に流れるアントニオがパウ・トーレスを狙い撃ちしながらロングボールを引き出していく。サイドに流れると遅れて入ってくるソーチェクなどターゲットを目がけてクロスを入れていく。
保持の時間が長いビラは落ち着きながら反撃に出る。カマラが右のDFラインに落ちるアクションとマッギンが中央に絞る変形から3-2-5でウェストハム相手にギャップを作っていく。
ライン間でフリーの選手が作れればミドルゾーンから一気に加速していくアストンビラ。この点に関してのワトキンスとディアビの貢献度の高さは異常。特にボールを引き出すところからフィニッシュまで運び続けるディアビの存在はアストンビラにとっては厄介だっただろう。
先制点もこの2人で押し下げる形からルイスのミドルで先制。ウェストハムはパケタがマークを外してしまったのが痛恨。アレオラは直前のシーンはセーブでルイスのミドルを止めて見せたが、2回目は同じようにはいかなかった。
先行されたウェストハムだが、ボールの奪いどころが見つからずに苦戦。前にふらふらと出ていっては大外のSBに押し下げられるか、ワトキンスとディアビに強襲されるかのどちらかである。
40分からようやくカウンターで主導権を握ることができたウェストハムだったが、ここも得点には結びつけられず。ビハインドで後半を迎えることとなった。
後半もアストンビラが大外のSBから押し下げていくスタート。落ち着いた保持の中でビラに追加点が入る。パケタの自陣での安易なパスミスからウェストハムはPKを献上。これをルイスが仕留めて、さらにリードを広げていく。
ウェストハムはボーウェンが何もにおいがしないところからのミドルで追撃弾をゲット。苦しい状況から流れをフラットに引き戻す。アストンビラはしばらく前に起点を作れない悪い流れをすごすこととなる。
そうした中で命運を分けたのがウェストハムの交代の采配。クドゥスを入れたいのもわかるし、ほかの選手も代えにくいのはわかる。だが、クロス主体の攻撃が続く中で高さのあるソーチェクを削ってしまったのは結果的に裏目に出たと言えるだろう。これ以降、ウェストハムのクロス攻勢には陰りが出るように。
ウェストハムがまごついているうちに強引に流れを引き戻したのがワトキンス。カウンターで角度のないところからニア天井を逆足でぶち抜く豪快なゴールで一気に主導権を引き込んでいく。
このゴールは完全にウェストハムの心を折ることに。覇気のないウェストハム相手にアストンビラがさらにもう1点を追加する形で試合は決着。前半にチームを牽引したエースが後半にも大仕事を果たし、大きな勝ち点3を手にした。
ひとこと
ソーチェク代えるならパケタだったかもなぁ。
試合結果
2023.10.22
プレミアリーグ 第9節
アストンビラ 4-1 ウェストハム
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:30′ 52′(PK) ルイス, 74′ ワトキンス, 89′ ベイリー
WHU:56′ ボーウェン
主審:デビッド・クート