前進パターンを見出したフェイエノールトが先勝
上田の負傷により日本人対決はお預けだが、アトレティコとラツィオのフォロワーと目される2チームにとってはここは勝ち点を落としたくないところ。重要な開幕戦となる。
立ち上がりからボールを持ったのはフェイエノールト。セルティックは旗手が古橋に並びかけるように4-1-4-1から4-4-2に変形する形でフェイエノールトのCBにプレスをかけていく。
4-1-4-1から4-4-2にズレる動きとしてはIHが出ていくアクションというのは一般的ではあるのだが、アンカーのマクレガーのスライドがちっとも間に合っていないことを踏まえると、セルティックは旗手のプレスの動きをチームとして共通でイメージできていたかは怪しい。
フェイエノールトは旗手が前に出てくる前の位置を利用して前進。ボランチのウィーファーはもちろん、トップ下のステングスやSBのヘールトロイダもこのスペースに顔を出してフリーで前に進むことができた。
このポイントのおかげでフェイエノールトの前進は安定。旗手のスライドからのフェイエノールトの前進という流れは彼が下がる60分まで繰り返し続くことになる。ここで前を向いたら2トップが背後を狙い、フェイエノールトはゴールに迫る。ハイプレスも含めて、フェイエノールトは高い位置に出ていく時間が増える。先制点となるFKもこの右サイドから進んで得たものだった。
セルティックの前進はよりCBに時間がある形。フェイエノールトは2トップがマクレガーの受け渡しを徹底していた。保持でも目立っていたのは旗手。テイラーと列を入れ替えてのスペースメイクでゴールを目指す原動力に。よる動きだけでなく離れる動きもうまく、左サイドから斜めに入り込む形からフェイエノールトのゴールを狙う。
だが、ミドルゾーンからもう一歩入り込むための手段が見当たらずに停滞。前進の確実性も含めて前半はフェイエノールトのペースだった。
後半、高い位置からプレスに出るセルティックは反撃。ハイプレスから古橋が流れの中でGKのヴェレンロイターに出ていけるようになり、こうなるとフェイエノールトのビルドアップは不安定になる。
ようやくプレスから押し込むような形が作れるようになったセルティックだが、ラガービエルケの2枚目の警告でPK献上+数的不利という危機的状況に陥ってしまう。本人は体を入れたつもりだろうが、この腕の動かし方はいくらなんでも印象が悪い。退場は妥当だろう。
このPKはパイシャオンが決められなかったため、命拾いしたセルティック。しかし、直後にホルムが一発退場で9人になると完全に試合は終戦。フェイエノールトは右サイドからの攻略から逆サイドに待ち受けていたジャハンバクシュのゴールで試合を決める。
勢いに乗った時間にミスが出てしまい苦しくなったセルティック。大事な初戦で手痛い黒星スタートとなった。
ひとこと
プレッシングに出ていかなければというプラン自体はわかるが、前半の延々とフェイエノールトにスペースを与えるだけのセルティックのプレスは修正の必要がある。このままではラツィオにもアトレティコにも簡単に前進を許してしまうだけだ。
試合結果
2023.9.19
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第1節
フェイエノールト 2-0 セルティック
デ・カイプ
【得点者】
FEY:45+2’ ステングス, 76‘ ジャハンバクシュ
主審:イルファン・ペリト