あまりに切ない逆転劇
ともに開幕節は敗れた両軍。ノックアウトラウンド進出に向けては早くも背水の陣といった形である。先制攻撃を仕掛けたのはホームのアントワープ。同サイド圧縮型のハイプレスから、スローインでのリスタートを圧縮し、初手でのハイプレスカウンターを完結。早々のチャンスをきっちりものにしてみせた。
以降もアントワープはペースを握る。WGのワンサイドカットからペースを握っていくと、シャフタールのポゼッションは窮屈に。正直、アントワープのプレッシングには抜けられそうな方向やタイミングがありそうではあるが、なかなか逃げ切ることができない。
アントワープでは保持でもシャフタールのプレスを後手に回らせる。印象的だったのはレーンの入れ替えが活発だったこと。特に中盤の3人が頻繁に位置を変えながら布陣全体のバランスを崩さないのはなかなかにシャフタールは捕まえにくそうだった。
主導権を握ったアントワープは追加点。たびたび見られていたヤンセンを囮とした裏へのWGの抜け出しからリードを広げる。
一方のシャフタールはプレッシングにこそ捕まっているものの、対面のアントワープの選手を逆を取りながら外すことはできている。よって、保持に回れば反撃の兆しは見えるという感じはあった。
迎えた後半。シャフタールはアントワープのプレスを外すと、ピッチの横断とWGのドリブルの仕掛けに裏抜けを組み合わせるようになり、アントワープの守備を翻弄していく。
後半立ち上がりに主導権を握ったシャフタールは追撃弾をゲット。以降も敵陣で攻め立てる時間を増やしながら、前半のスコア的な不利を覆しにかかる。
だが、アントワープもカウンターから反撃。遠い距離から決めうちでタックルをかましてくるシャフタールのバックラインをかわすと、電車道のようにカウンターへの道筋が見えてくる。
どちらも攻め手がある中で次に得点を決めたのはシャフタール。FKから壁が割れたところを撃ち抜いてあっさりと同点とする。
この同点も脱力してしまうものだったが、3失点目はさらに脱力してしまうもの。PK風情の接触があったせいで多くの選手がプレーを中断してしまう。そうした中で唯一反応したのがGKのブチだったがボールをこぼしてしまい、これをシカンに詰められてしまう。
逆転されたアントワープは左右からボール運びながら、チャンスを作っていく。だが、クロスからのシュートはGKの目の前に転がってしまい、得点にはならず。ラストでようやくたどり着いたPKはアルデルワイレルドのキックが枠を捉えることができず。2点のリードを守りきれなかったアントワープが逆転負けで2連敗を喫した。
ひとこと
3失点目はいくらなんでも切なすぎる。
試合結果
2023.10.4
UEFAチャンピオンズリーグ
Group G 第2節
アントワープ 2-3 シャフタール
ボサイル・スタディオン
【得点者】
ANT:3‘ ムヤ, 33’ バリクウィシャ
SHA:48‘ 76‘ シカン, 71’ ラキツキ
主審:ラデ・オブレノヴィッチ
