らしくないバイエルンがWGで押し切る
CLのグループステージ名物といえるトルコアウェイに挑むのはバイエルン。アリ・サミ・イェンの観客たちは毎回恒例の異様なムードでドイツからの来訪を手荒く歓迎する。
意外にも積極的に試合を支配しに行ったのはガラタサライ。バイエルンに対して、後方での同数での迎撃を覚悟しており、高い位置からチェックをかけていく。
ボールを奪ったら右サイドから素早く崩しを仕掛けていくガラタサライ。バイエルンはこちら側のサイドの守備が少し難解でCHのライマーの前にSHのサネが立つ形で縦に並んでいた。
よって、シンプルに外側のレーンを取るボーイを止めることができないバイエルン。シンプルにサイドからのクロスでガラタサライはチャンスを作っていく。アクトゥルコールに訪れた決定機に関しては決めたかったという感じである。特に2つ目のやつが。
押し込まれるバイエルンだが後方同数で守るガラタサライのスキをわずかについてみせる。同数で受ける敵陣で違いを見せたのはコマン。対面のカラカスを外して見事にゴールを打ち込んで見せる。同数で受けるというのがテーマであるのならば、カラカスの対応はガラタサライにとっては誤算だったはずだ。
失点して以降、プレスを強めるガラタサライ。ガンガン攻め立てると左サイドのクロスからPKを獲得。このPKをイカルディが沈めて前半のうちに追いついて見せた。それ以降もイカルディとアクトゥルコールが決定機を迎えるが決め切ることができず。完全に前半の主導権を握る。
後半もガラタサライはボールを持ちながら押し込んでいくフェーズ。バイエルンはファストブレイクに特化する形で少しずつ展開を盛り返し始める。
結果的に前半よりも状況はフラットになりつつある後半の試合。ファストブレイクの撃ち合いから少しずつタレント勝負の土壌に勝負を引き込んでいく。
ガラタサライも右サイドにメルテンスを投入し、ハーフスペースの突撃を繰り返すフェーズに突入する。ただ、ファストブレイク合戦でいうとどうしてもWGの質がものをいう。そうなれば有利になるのはバイエルン。スペースがある状況で仕掛けを繰り返すバイエルンのWGに対してガラタサライは後手に回る。
WGが深さを作ればインサイドにスペースが出てくる。ケインとムシアラにとってはこれだけスペースがあれば暴れ放題。2点目、3点目と立て続けにゴールを決めてリードを奪う。
内容的には健闘したガラタサライだが、最終的には決壊。勇敢に戦いつつもホームでの大物食いには至らなかった。
ひとこと
バイエルン、グループステージでこれだけ支配されるのはらしくないなという感じ。ブンデスでもこんな感じなんだろうか。
試合結果
2023.10.24
UEFAチャンピオンズリーグ
Group A 第3節
ガラタサライ 1-3 バイエルン
アリ・サミ・イェン・スポーツ・コンプレックス
【得点者】
GAL:30‘(PK) イカルディ, 73‘ ケイン, 79’ ムシアラ
BAY:8’ コマン
主審:ダビデ・マッサ