新しいトライを見せるウニオン・ベルリンのスキを見逃さないクワラツヘリア
ボールを持つ側となったのはナポリ。プレッシングの甘いウニオン・ベルリンのトップにより、ナポリのCBはボールを持つことを許された感がある。
ただし、先に進んでいくとウニオン・ベルリンはタイトな守備をしていく。ナポリに対してクリティカルな中央からの侵攻を許さずにミドルゾーンから跳ね返す。
ウニオン・ベルリンの守備のタイトさはこれまでに見られたところだったのだが、変化があったのはボール保持の方。ナポリの3トップがあまりウニオン・ベルリンの3バックに対してタイトな守備をしてこなかったこともあるが、保持でゆったりと落ち着いたスタンスを見せることができていたのはあまりこれまでに見られなかった部分。相手のプレスを剥がして、自陣からショートパスで前進!とまではいかなかったが、非保持に回るケースが多いチームにとって、波状攻撃の防衛としてポゼッションという手段を持っているかどうかは非常に重要である。
さらには右サイドから裏を取ったフォファナがネットを揺らすなどファストブレイクでは付け入るスキがありそうなウニオン・ベルリン。これはオフサイドで取り消しになったが、ネットを揺らしたこと自体は勇気を持つことができたはずである。
しかしながら、ナポリも徐々に保持の時間を長くしていくと安全地帯となったSBから縦にボールを運んでのWGの勝負を敢行。クワラツヘリアのような外で勝負できるWGがいればこうしたやり方も充分に通用する。
後半の頭もナポリがボールを持つ展開。基本的には前半と同じ流れなのだが、ウニオン・ベルリンは後方の迎撃の意識が鈍ったのかややライン間がルーズになる状況が多くみられるのが気がかりではあった。
こうした部分を見逃してくれないのが一流の選手。縦パスを受けたクワラツヘリアから左サイドの深い位置をえぐると、折り返しを仕留めたのはラスパドーリ。後半にようやくナポリが試合を動かすことに成功する。
失点したウニオン・ベルリンはこれ以降ボールを持ちながら攻めに転じる。ナポリも引きながらブロックを組む選択をしたため、ボールを持たせて残り時間を守り切る構えを見せていく。
左右のWBから積極的にクロスを上げて勝負に出るウニオン・ベルリン。セットプレーからクノッヘがあわやというシーンを生み出すことに成功するが、なかなかネットを揺らすところまではたどり着くことができない。
攻めに出たウニオン・ベルリンは善戦するも、最後までナポリのゴールネットを揺らすことはできず。善戦むなしい3連敗でグループ突破は非常に厳しい情勢となってしまった。
ひとこと
とがったチームが新しいことを覚えている感じは好き。
試合結果
2023.10.24
UEFAチャンピオンズリーグ
Group C 第3節
ウニオン・ベルリン 0-1 ナポリ
オリンピア・シュタディオン
【得点者】
NAP:65‘ ラスパドーリ
主審:イルファン・ペリト