保持での多彩さが際立つインテルの勝利
立ち上がりから強気でプレスに入ったのはザルツブルク。縦関係の2トップにSHがサポートする形でインテルのバックラインにプレスをかけていく。
序盤はこのザルツブルクのメカニズムが機能する。高い位置からボールを捉え切り、ショートカウンターでシュートまで持っていく。2列目はボールを奪うと中央に集約。近い距離感のショートパスをつなぎながらインテルのゴールに向かっていく。
しかしながら、インテルは徐々にこのザルツブルクの同サイドへの圧縮に対抗できるように。フリーになった中盤や降りてくるFWから逆サイドへの展開でザルツブルクの中盤のプレスを回避する。インテルは2トップを使った逆サイドへの展開から先制点をゲット。左サイドから脱出に成功したサンチェスとラウタロの2人のFWと右サイドで囮になったフラッテージ、そして縦パスをサンチェスに通したムヒタリアンまで澱みのないゴールだった。
得点以降もこのサイドに振る形のポゼッションでインテルは展開を安定して握ることができるようになる。さらには最終ラインの裏をつくアクションも豊富なインテル。2トップにフラッテージ、さらにはセットプレーではパヴァールも含めて前線に飛び出す形からチャンスを引き出していく。
プレスのきっかけを失ってしまったザルツブルクは先制点以降持ち直すことができず。保持から押し返すきっかけも見つからないまま試合はハーフタイムを迎える。
ザルツブルクは迎えた後半、片側のサイドにポゼッションの重心を移すことでインテルの手薄なところからの前進を狙っていく。しかしながら、インテルは5分も経たないうちに保持でザルツブルクの主導権を平定。前半と同じく降りる動きと裏を取る動きを組み合わせる形で前進を狙っていく。
しかし、同点ゴールを決めたのは劣勢気味のザルツブルク。後方からのロングボールをシミッチが深さを作るようにコントロールし、ケアゴーと連携しつつ最後はグルーク。ロングパス一発から作られたチャンスをきっちりスコアに結びつける。
だが、インテルも直後にPKを獲得。大外のアウグストの仕掛けから裏を取るアクションを見せてPKを獲得すると、これをチャルハノールが冷静に沈めて勝ち越しに成功する。
反撃に出たいライプツィヒだが、ポゼッションのところからリズムを掴むところができずに苦戦。インテルが決めた幻の3点目はこの試合のインテルの保持からの崩しがうまくいっている証拠だろう。
地力の差がきっちり見える結果となった両チームの試合。勝ったインテルは大きく突破に近づくこととなった。
ひとこと
多彩な選手が絡むのに設計図の解像度が落ちないインテルのゴールは超強い。
試合結果
2023.10.24
UEFAチャンピオンズリーグ
Group D 第3節
インテル – ザルツブルク
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
【得点者】
INT:19‘ サンチェス, 64‘(PK) チャルハノール
SAL:57‘ グルーク
主審:フランソワ・ルトゥグジエ