異なるシステムの噛み合わせが多くのチャンスを生む
試合はロングボールが主体の落ち着きのないスタート。先にチャンスを迎えたのはセットプレーからのヤングボーイズだったが、ツルヴェナ・ズヴェズダもパスカットからすぐさま決定機。左右のクロスからチャンスを生み出していく。ツルヴェナ・ズヴェズダがエリア内に枚数をかけていたことは確かだが、ヤングボーイズのボックス内の対応はやや甘く、ボックス内でフリーで打ち切れるシーンがやたらと多かったのは気になった。
しかし、先手を取ったのはヤングボーイズ。最初にチャンスを作ったセットプレーからニアすらしでオウンゴールを優位。これで先制点を奪う。
両チームとも以降も保持からチャンスを作っていく。ヤングボーイズはウグリニッチのサリーから左に流れるエリアを軸にチャンスメイクを積極的に仕掛けていく。ツルヴェナ・ズヴェズダの構造的に手薄なサイドにボールを集めるのは自然な流れのように思う。
一方のツルヴェナ・ズヴェズダも段差を作って4-4-2フラットな形に対してのポゼッションを披露。押し返す気概を見せる。
流れの中からも得点の匂いがする試合だったが、再びスコアを動かしたのはセットプレー。ブルームの左足からゴールを奪い、ヤングボーイズがさらにリードを広げる。
2点目の前後から押し込み続けたヤングボーイズ。ツルヴェナ・ズヴェズダは外にも積極的にプレスに出ていくが、内とのケアのバランスが取れず、逆に中央を開けてしまう場面が出てくるようになってしまった。
試合は2-0。ヤングボーイズのリードでハーフタイムを迎えることとなった。
リードをしているにも関わらず引き続きハイプレス志向は強めでプレスに出ていくヤングボーイズ。ボールを奪った後は手数の少ない攻撃から一気にゴールに迫っていった。
ツルヴェナ・ズヴェズダもハイプレスからスタート。左サイドに照準を絞り、インボムと途中交代で入ったルチッチを軸に前半よりも奥を取りながら進むことができていた。
互いでボックス内でフリーのチャンスを作れており、得点の匂いがした後半。しかしながらなかなかネットを揺らすことができない状況が続く両チーム。
ビハインドのツルヴェナ・ズヴェズダは最後までゴールを奪うことはできず、試合は2-0のままタイムアップ。ともに敗退の決まっている両チームだが、ホームのヤングボーイズが意地を見せた一戦となった。
ひとこと
システムのミスマッチを生かしたチャンスが多く見応えのある試合だった。
試合結果
2023.11.28
UEFAチャンピオンズリーグ
Group G 第5節
ヤングボーイズ 2-0 ツルヴェナ・ズヴェズダ
スタディオン・ヴァンクドルフ
【得点者】
YBO:8‘ ネデリコヴィッチ(OG),29‘ ブルーム
主審:ダニー・マッケリー