動かせないアントワープをシャフタールが押さえ込む
すでに敗退が決まっているアントワープ。シャフタールはなんとしても勝ち点3を手にして、ポルトとバルセロナを追走して最終節に突破の望みをつなげたいところである。
立ち上がりにボールを持つのはシャフタール。CBが開きながらボールを持つビルドアップに対して、アントワープは特にポゼッションを阻害する動きを見せず。アザロヴィのオーバーラップに対して5バックに移行するなど明らかに後ろに重心を置いている形をキープする。
逆にサイドから前に重心が移ればプレスのスイッチが入る。WGがシャフタールのバックラインにプレスにいけば全体が加勢する形になっているが、ボールを奪う流れにはなかなかうまく移行できない。
押し込む機会が増えたシャフタールはセットプレーで先制。マトヴィエンコのゴールで12分に先行する。
一方のアントワープがボール保持に回った際はシャフタールも最終ラインにはプレッシャーをかけない。おそらくリードをしていることもあるのだろう。無理をしないのがシャフタールのスタンスだった。
アントワープはCHのフェルメーレンのプレーが印象的。若さゆえの危うさもあるのだが、ボールをフリーで持った時の推進力などはピカイチ。シャフタール相手にボールを運びながら全身を促していく。
しかしながら、ゴール前にブロックをきっちりと構えるシャフタールに対して、なかなか活路を見出すことはできず。非保持においてプレスをかけにいくスタンスもなくなかなかゴールに迫る瞬間を作り出せない。
むしろ、チャンスを作ったのはシャフタール。カウンターから右サイドの突破をクリスキヴが行い、左サイドのニューワートンとスダコフが仕留め切ることができない。
後半もシャフタールは落ち着いた保持での入り。シャフタールはこのままでもOKなため、ポゼッションを延々と行う展開が続く。アントワープは前半に引き続き、この状況を動かす手段をボール保持でもカウンターでも持ち合わせていなかった。
攻撃を行うのはシャフタールの方。トランジッションでの攻め上がりとミドルシュートを組み合わせることでゴールに迫る。だが、肝心のシュートが枠内を捉えることができないまま時間が進む。
試合を動かせないアントワープと追加点を奪えないシャフタールの綱引きのままで試合は終了。シャフタールが狙い通り突破の可能性を残して最終節を迎えることとなった。
ひとこと
アントワープに試合を動かすパワーを感じなかった。技術は結構あるチームのように思うのだけども。
試合結果
2023.11.28
UEFAチャンピオンズリーグ
Group H 第5節
シャフタール 1-0 アントワープ
オリンピア・シュタディオン
【得点者】
SHA:12′ マトヴィエンコ
主審:バルトシュ・フランコフスキ