大外起用のカンセロが違いを作り出す
グループHの主導権を握るための重要な一戦。勝てば1節を残してバルセロナは3年ぶりのグループステージ突破を決めることができる。
バルセロナは3-2-5でのビルドアップ。GKがここに絡んでビルドアップが4枚になるケースもある。いつもであればインサイドに入り込むカンセロは左に移動し大外ロールに。右サイドにはCBロールであるアラウホが入ることとなった。
ポルトは4-4-2で縦横共にコンパクトなビルドアップ。バルセロナは大きく左右に揺さぶりながら、薄いサイドを作りつつ勝負を仕掛けていく。サイドに展開し、縦に進んでいくという形を実行してバルセロナはポルトを押し下げていく。
一方のポルトは同サイドの縦をひたすら進んでいく形。バックラインにプレスをかけない4-4-2というスタンスはバルセロナもポルトも同じで、ここからの縦に速い仕掛けというのは同じチーム。裏勝負のファストブレイクに力点を置いた展開で試合は進んでいく。
先制したのはポルト。左サイドでガレーノがタメを作り崩すきっかけを作ると、右サイドで狙いすましていたぺぺがゴール。縦への鋭さ勝負で先行する。
しかしすぐさまバルセロナは同点。左サイドのカンセロがカットインをする形からミドルで勝負を仕掛けて追いつく。カンセロは高い位置で起用された結果を出す。
前半の終盤はポルトが攻めていくが、立ちはだかったのはテア=シュテーゲン。守護神のセーブでバルセロナはなんとかタイスコアで踏みとどまる。
後半のポルトはラインを上げてプレスを仕掛けていく。しかしながらロングボールを生かしながらバルセロナは少しずつ回避。試合を落ち着かせる。
落ち着くとミドルプレスをどう崩すか合戦に再び突入したこの試合。バルセロナの解決策になったのはカンセロ。左の大外からジョアン・フェリックスのゴールをアシストする。
ポルトはエヴァニウソンの裏抜けなどバルセロナの隙をつくチャンスメイクをするが、なかなかフィニッシュがハマらず。手薄なサイドから折り返しを狙っていきたいところだが、バルセロナはハフィーニャを最終ラインに落としてレーンを埋めていく。
最後は安定したポゼッションで逃げ切りに成功したバルセロナ。1ゴール、1アシストのカンセロの活躍で決勝トーナメント進出を決めた。
ひとこと
4-4-2ミドルブロックの崩し勝負で元シティのカンセロが決め手になるのは流石である。
試合結果
2023.11.28
UEFAチャンピオンズリーグ
Group H 第5節
バルセロナ 2-1 ポルト
カンプ・ノウ
【得点者】
BAR:32‘ カンセロ, 57‘ フェリックス
FCP:30’ ぺぺ
主審:ダニエレ・オルサト