最後の一絞りとなったハイプレスが成就
グループBはすでにアーセナルとPSVの2チームが突破を決めている状態。この試合はEL出場をかけた3位争いという位置付けになる。
優位に立っているランスは高い位置からボールを追いかけ回すスタート。しかしながら、このハイプレスはセビージャには刺さらず。セビージャはスペインのチームらしい少ないタッチ数でこのハイプレスを回避する。
アタッキングサードでの攻略は少し迫力不足ではあったが、迫力のあるセットプレーでこれを帳消し。一方的に押し込んでいくメリットはそれなりにある状態だった。
非保持に回ってもセビージャはハイプレスを積極的に仕掛けていくなど前のめり。RCランスは自陣からのロングカウンターしかチャンスを見つける手段がない状態ではあった。ワイを起点にしたカウンターは単発ではあるが鋭さはあった。しかしながら、縦と横に自在にパスを繋ぎながら、オフザボールで相手を外す動きを欠かさないセビージャの方が総じて優位な前半だったと言えるだろう。
後半の立ち上がりは少し縦に速い展開が続いたが、試合が落ち着くと今度はボールを持ったのはRCランス。セビージャが押し込まれながら自陣からのカウンターに出ていくことになるが、RCランスのような推進力はあまり見られなかったので、その分辛さを感じる展開となった。
そうした中でセビージャがPK献上。スマレの軽率なアプローチがファウルを招いてしまう。これをフランコフスキが仕留めてホームチームがリードを奪う。
シュートの本数が少ないながらも攻め込む展開を作って試合を制御するRCランス。しかしながらクロス対応でエン=ネシリを倒してしまい、これもPKに。ラモスのキックは一度は失敗したが、やり直しの裁定が下されることに。2回目のチャンスを仕留めたラモス。これで試合は振り出しに戻る。
追いつかれて以降は押し返せない苦しい展開になったRCランス。このまま引き分けがいっぱいかと思われたが、最後の力を振り絞ったハイプレスが成就。晒しすぎてしまったペドロサからボールを奪うと、ショートカウンターをフルジーニが完結。
土壇場で勝利を手にしたRCランス。最終節でホームのファンに勝利を届けた。
ひとこと
追いつかれた時にはもう苦しいかと思ったが、最後にいいところを見せたRCランス。逆にセビージャは最後までいいところのないCLとなってしまった。
試合結果
2023.12.12
UEFAチャンピオンズリーグ
Group B 第6節
RCランス 2-1 セビージャ
スタッド・フェリックス・ボラール
【得点者】
RCL:63′(PK) フランコフスキ, 90+6′ フルジーニ
SEV:79′(PK) ラモス
主審:フェリックス・ツバイヤー