力量くっきりの6得点で初戦の勝利を飾る
2024年のアジアカップの出場権をかけた本大会の予選。パリ世代の日本代表が初戦で激突するのはパキスタンである。
正直な話をすれば、アジア予選であまり聞かないパキスタンは日本をそれほど苦しめる相手ではなかった。4-2-3-1ベースの守備は日本のアンカーの藤田を受け渡しつつ、交互にCBにプレスに出ていく形で対抗しようとしていたが、結果的にはこのプレスはほぼ機能しなかったといっていいだろう。
日本はSBが2トップの脇に立つというやや後方に重めのビルドアップから前進を狙っていく。このポジションの選手からライン間に縦パスを狙っていくケースもあり、横パスでマークの外れた藤田からボールをガンガン縦に入れていくスタンスもありという感じだった。
パキスタンは藤田のマークの受け渡しをシビアにやっていたわけではないし、藤田はボールを持ったらすぐに縦にボールを迷いなくつけていたので、この辺りは日本の攻め手として確立。藤田は後方からライン間の松木や三戸にパスを差し込んでいくマシンのようだった。
日本のプレッシングはIHもしくはWGが細谷に加勢する形でスピードアップ。勢いがあるプレスに対して、パキスタンはタジタジだったし、多少中盤でズレるようなプレスになったとしても、最終的にはバックラインが捕まえることができれば問題はなし。この試合ではパキスタンの選手がターンで相手を外すアクションを見せることはほぼなく、背中で受けるところに間に合えばほぼ日本は問題なくマイボールとして回収することができていた。
ただ、奪ってからのショートカウンターは少し刺さらなかった印象。三戸、松木などのエリア内でのプレーの精度はなかなか心もとないものだった。立ち上がりの鈴木海人のゴール以降、日本は湿った攻撃が続く。
それでも前半の終了間際にライン間のパスから2点を奪うことに成功した日本。45分で試合の大勢を決めることができたのは合格点といったところだろうか。
後半も藤田の縦パスからガンガン攻撃を仕掛けていく日本。後半の日本で目立っていたのは左の後方から攻撃を組み立てていた西尾。彼の裏へのパスから松木の侵入がきっかけで5点目を手にする。
ボールの受け手である松木も躍動。6点目で試合の最後のゴールを飾るなど、得点でチームを牽引する。
追いかけたいパキスタンだが、足をつって試合が止まる場面が多く、フィジカル面での日本との差は顕著。正直点差を詰めるどころではないといった感じだった。
試合は日本の完勝。本戦出場に向けて好発進の開幕戦となった。
ひとこと
ちょっと力量差があってなかなか評価が難しい試合だった。ライン間からガンガン仕掛けていく姿勢はよかったけど、精度の部分ではもう一声!という感覚はなくもない。
試合結果
2023.9.6
AFC U-23アジアカップ
グループステージ 第1節
日本 6-0 パキスタン
シェイク・アリ・ビン・モハマド
【得点者】
日本:12‘ 鈴木海人,44’ 三戸舜介, 45+2‘ 51’(PK) 細谷真央, 59‘(PK) 藤田譲瑠チマ, 64’ 松木玖生
主審:ヌディ・ヌルチャヤ