イケイケの時間帯の代償
前年度のCL王者とEL王者が激突するUEFAスーパーカップ。悲願のビッグイヤーを手にしたマンチェスター・シティが相対するのはELマイスターとして今年もELを制したセビージャ。この舞台に関してはセビージャの方がベテランである
もちろん、試合展開としてはそんなことは関係ないのでボールを持つのはマンチェスター・シティ。アカンジが列を上げる3-2-5からいつも通りポゼッションで支配しながら試合を進めていく。
セビージャは列を超えてのプレッシングはせず、4-2-3-1の陣形を維持しながらシティの保持に対抗していた。プレスの重心はを決めるのはラキティッチとジョルダンのCHコンビが前のプレス隊についていくか、バックラインに吸収される形になるか次第という様相だった。
シティは4-4ブロックのセビージャに対して、外側からズルズルと押し下げるようなアプローチを試みていく。外からラインを押し下げるところはある程度できてはいたが、ブロックの重心を上下するセビージャに対して思うようにブロック内に侵入ができず。一度、ハーランドが抜け出しかけた場面があったが、容赦なくファウルで止められてしまい、オープンプレーでのチャンスにはならなかった。
セビージャはクーリングブレイク後にワンチャンスを生かして先制。左サイドのクロスからのエン=ネシリのヘッドで貴重な機会をモノにする。ただ、この先制点でセビージャは勢いに乗ったのか、ラメラとオリベルでの右サイド攻略など手ごたえのある攻撃を出すこともできていた。
守備においては低い位置に下がりながら受ける機会が増えるセビージャ。水際の対応は増えたが、カウンターの出来も上々の前半といえるだろう。
後半はさらにカウンターで勢いを出していくセビージャ。オカンポスはバックラインに入るアクションをしつつ、ロングカウンターの起点として猛威を振るう。2,3回にはとどまらない数のカウンターでのチャンスだが、セビージャは追加点を決めることができない。
いけると思ったところに入り込むうまさがシティの怖さでもある。イケイケなセビージャに対して、クロスから同点ゴールをゲット。ハーランドの外を回るように構えていたウォーカーとパルマーがフリーに。パルマーが合わせて同点ゴールをゲット。手堅く進めていた時はオカンポスが埋めていたスペースのため、ちょっとイケイケになりすぎたのかもしれない。
その後は右サイドのパルマーを中心に崩しのきっかけを作っていくシティ。イケイケセビージャのロングカウンターの時間帯は終了し、シティが一方的に押し込む時間帯に突入する。
何とかドローでPKに持ち込んだセビージャだったが、5人目のグデリの失敗で軍配はシティ。先制した好機を生かせず、シティにタイトルを譲る格好になった。
ひとこと
イケイケのセビージャがあの時間帯に追加点をとっていれば・・・。
試合結果
2023.8.16
UEFAスーパーカップ
マンチェスター・シティ 1-1(PK:5-4) セビージャ
スタディオ・ヨルギオス・カライスカキス
【得点者】
Man City:63′ パルマー
SEV:25′ エン=ネシリ
主審:フランソワ・ルテクシエ