Fixture
プレミアリーグ 第36節
2022.5.8
アーセナル(4位/20勝3分11敗/勝ち点63/得点54 失点41)
×
リーズ(17位/8勝10分16敗/勝ち点34/得点38 失点72)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
直近10試合の対戦でアーセナルの8勝、引き分けが2つ。
アーセナルホームでの対戦
直近10試合の対戦はアーセナルの7勝、リーズの2勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
スカッド情報
【Arsenal】
・ウェストハム戦をふくらはぎの張りで負傷したベン・ホワイトは当日判断。
・トーマス・パーティ、キーラン・ティアニーは引き続き出場停止。
【Leeds】
・前節、足を負傷したスチュアート・ダラスは少なくとも全治半年はかかる見込み。
・シティ戦を負傷で欠場したリアム・クーパーは当日判断。。
・パトリック・バンフォードは来週にトレーニングに復帰の見込み。マーシュは今季再びプレーすることは可能と考えている。
Match facts from BBC sport
【Arsenal】
【Leeds】
予想スタメン
展望
■バランス重視による新しいジレンマ
アーセナルとの前回対戦時のリーズは本来の力の1/3も出せていなかったといっていいだろう。メンバーは11人を揃えるのがやっと、控えメンバーにはプレミアには馴染みのない名前がズラリ。リーズは負傷者とCovid-19でスカッドがハチャメチャになっていた。
あの日に比べれば今のリーズには十分に戦う準備ができているといっていいだろう。今がいいというよりもあの時があまりにも心もとなさすぎたというのが先ではあるけども。
ビエルサからマーシュに監督が交代して、チームは随分と現実的な方向性に収束したといえるだろう。高い位置から前を捕まえにいくマンマークや、早い縦への攻撃などビエルサ時代からの特徴をチームとして引き継いでいる部分はある。
だけども、原理原則に囚われすぎずに、現実的な振る舞いを取ることも求められている。最も大きな変化はプレッシングである。CFが数的不利を覚悟で相手を追いかけ回すようなことがなくなり、相手が自陣側に攻め込んでくるまで、プレスに動き出すのを我慢するのはこれまでのチームとは違う一面。負傷気味のバンフォードに取って代わったジェームズが最も苦しんでいた部分をマーシュがまず取り除いてあげた印象である。
状況に応じてチーム全体のバランスを重視した振る舞いを行うこと自体はアフタービエルサとしては自然な流れのように思える。ただ、リーズのスカッドを見渡してみると、そもそもリーグで戦う上での層の厚さはなかなかに厳しい。その部分をビエルサの尖ったスタイルが補っていたところも感じる。
例えば、奪う位置が低くなってしまった分、陣地回復におけるラフィーニャへの依存度が上がってしまっているだとかはその代表例。チーム全体が運動量とプレー判断の速さで相手をおいていくという色は少し薄くなってしまったように思う。
マーシュになってバランスが改善したものの、グンと成績が伸びてこないのはそういったリーグにおけるスカッドの層の部分もあるように思える。バランスを取ればいいかというとそういうわけでもない!というのはアンダードック故の宿命でもある。
それでもまずは残留が第一条件なのは変わらない。敗れてしまえば主力が一気に流出してしまい、再び昇格するのはなかなかの困難を極める。シティ、アーセナル、チェルシーと厳しい3連戦の真っ最中のリーズ。エミレーツからは意地でも1ポイントは持ち帰りたいと考えているはずである。
■アタッカーの負荷を取り除きたい
リーズにとってポジティブな材料になっているのはフィリップスが徐々にプレータイムを伸ばしていること。展開力とフィルター役としての資質を兼ね備える司令塔の長期離脱は今季リーズが残留争いに巻き込まれている一因と言えるだろう。
彼を起点にする大きな展開にはアーセナルは気をつける必要がある。大外へのフィードを起点として、後方からホルダーを追い越すことでハーフスペースに突撃するという流れはアーセナルを攻略するパターンとしては大いに使えそうな形である。
そういう意味でリーズにとって非常に痛いのはダラスの離脱。ホルダーを追い越す勘所の良さはチームの中でも随一。数によって厚みをもたらすといいうリーズの理念を体現する存在なのがダラスだ。彼の不在によるホルダーへのサポートは減ってしまうことは避けられないだろう。リーズからすると、ラフィーニャの負担を減らすような攻撃をフィリップスを中心に作れるかどうかが大きなポイントになる。
アーセナルからするとまず避けなければいけないのはラフィーニャによる単騎での突破から一気にゴールまで持って行かれてしまうこと。アーセナルのこの試合における対面はおそらくタヴァレス。対人守備においては不安要素があると言わざるを得ないだろう。
Match factsの項でも紹介したが、ラフィーニャは今季最もプレミアリーグで先制点を奪っている選手。ご存じの通り、アーセナルは今季先制点を取られた試合はめっぽう弱い。ラフィーニャの単騎から先制点をあっさり奪うという展開はリーズからすると最も楽な展開になるだろう。
一方でアーセナルはボールを持てばサイドの力関係は優勢に傾く。サカはフィルポ相手であれば単騎で突破が可能であるだろう。
チーム全体の構造の話で言うと、まずはリーズのプレッシングを引き出すこと。ビエルサ時代ほどではないとはいえ、自陣深い位置でのボール回しの時間を長くしていれば思わずプレスに出てくるシーンもリーズは増えてくる。
バックラインからのボールの動かし方でリーズの陣形を動かせるかどうかはアーセナルにとってのポイント。低い位置からのボール回しで引っ掛けてしまうと言うのはここ数試合の悪癖ではある。だが、サカに過度に頼った突破は今後のチームを見据えても、あるいは負傷と隣り合わせである現状のサカのコンディションを考えてもなるべく避けたいところ。
両チームとも右のワイドアタッカーという攻撃の核をどのようにサポートすることができるか。その部分でアーセナルはリーズを上回りたいところである。