悪いなりに保っていた平穏が退場で崩壊
非保持に回れば無理にプレスに行かないブライトンと、積極的にボールを奪いにいくシェフィールド・ユナイテッド。立ち上がりの両チームの振る舞いはスタイルの違いというよりは直感的にコンディションの差を感じるものだった。
しかしながら、地力の差があるのも確か。プレスに出てきたブレイズをブライトンはいなす力を持っている。立ち上がりに間を繋ぐパスからファティが決定機を迎えると、6分には先制点をゲット。アディングラが左サイドからのカットインで大外から1人でフィニッシュまで持ち込み、先制点を演出する。
それ以降も大外から存在感を放つアディングラ。左サイドやや一辺倒になっていた感は否めないが、ブライトンはボール保持から攻撃を仕掛けることができている。セットプレーからブオナノッテが飛び出しからチャンスを得るなど、追加点のニオイもそれなりにある展開だった。
勢いは良かったブレイズだが、反撃のきっかけを掴むことができない。かわされてしまったプレスはもちろんのこと、ボール保持に回っても相手を動かしながら敵陣に入り込むことができない。チャンスが出来そうになったのは42分にファン・ヘッケのミスからカウンター未遂の場面を作れてから。この場面からややブレイズが押し込む時間を作れるようになったところで試合はハーフタイムを迎える。
後半、悪い流れを変化させようとブライトンはジョアン・ペドロと三笘を投入。長いボールを収めることでプレスに息巻いていたブレイズの心を折っていたペドロはすんなり入った一方で、三笘は大外からのカットインにキレがなく明らかにコンディションが上がっていない状況が見てとれた。
それでもブレイズは後半も反撃のきっかけを掴めていなかったため、特に問題になる様子はなかった。風向きが変わったのはダフートの退場。何の変哲もないところでの一発退場で10人になってしまうと、5-3-1にシフトしたブライトンは一気に受けに回る。
すると、ブレイズは右サイドから同点ゴールをゲット。明らかにCBのノリで守っていたWBのイゴールが大外を開けてしまうと、クロスからウェブスターのオウンゴールを誘発。試合を振り出しに戻す。
失点してもなお、前に出ていく元気はブライトンには出てこず。終盤には三笘とペドロがコンビネーションからボックス内に侵入していくが、ペドロの折り返しが大きくなってしまいチャンスは至らず。
望外の退場から勝ち点を拾うことができたブレイズ。悪いなりにもリードで試合を進めていたブライトンにとってはあまりに大きい2ポイントのロストとなってしまった。
ひとこと
アクシデントが1つあれば覆せないくらいに今のブライトンがギリギリなのはわかる。
試合結果
2023.11.12
プレミアリーグ 第12節
ブライトン 1-1 シェフィールド・ユナイテッド
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:6′ アディングラ
SHU:74′ ウェブスター(OG)
主審:ジョン・ブルックス