■ロングカウンターの応酬の結末は『前節と全く同じ』
3分でサマーフィルでのPK奪取からリーズが先制するという一連はこの試合における慌ただしさを象徴しているかのような幕開けだった。早い展開から一気に攻め切ったサマーフィルはいきなり大仕事を果たして見せる。
先制点を奪い、イケイケになるリーズ。高い位置からボーンマスのビルドアップを狙い撃ちし、一気に主導権を握ろうとする。しかし、今日のボーンマスはロングカウンターのキレが抜群。リーズに殴られても殴り返すことができる胆力があった。
同点ゴールを決めたのはタヴァーニア。右サイドからのクロスを押し込み、PKを決められてから4分ですぐさま試合を振り出しに戻す。リーズはコッホのクリアが甘くなってしまった。
そして、逆転ゴールはキレキレのロングカウンターが炸裂。左サイドからタヴァーニアが持ち運び、シュートまで向かう。この跳ね返りをビリングが押し込んで逆転まで持っていく。
早い攻撃といえばリーズの方がイメージに合うのだけども、前半はボーンマスの方が明らかに切れ味があった。迷うことなく2トップにボールを当てるとソランケとムーアがキープしながらカウンターの起点に。セットプレーの機会も多く、リーズに対して明らかに多い得点のチャンスを得ていた。
リーズはロングカウンターはまだしもボーンマスが撤退してからはなかなか攻撃のチャンスを作れない状態に。切れ味十分だったボーンマスに比べるとやや物足りなさが残る前半だった。
迎えた後半、リーズは右サイドバックのクリステンセンを積極的に高い位置に置くように。実質WBのような振る舞いで、右サイドの高い位置に起点を作らせる。
しかし、早い時間で追加点をゲットしたのはボーンマス。リーズが前がかりになっているサイドからカウンターでボールを持ち運ぶと、ソランケが3点目をゲット。後半頭に出鼻をくじく追加点を奪う。
いきなり苦しくなったリーズはグリーンウッドを投入。3失点目を喫したとはいえ、保持においては3バック気味にして左右の高い位置に人を置くやり方自体は有効。相手を押し込むツールとしては十分機能していたと言えるだろう。
そうした中で追撃弾を決めたのはグリーンウッド。左右にボールを揺さぶりながら押し込んだところで見事なミドルシュートを決めてみせた。勢いに乗るリーズはセットプレーから同点に。決めたのはCBのクーパー。2点差を追いついてみせる。
猛追を受けたボーンマスは大幅にトーンダウン。ステイシーが交代直後にオーバーラップから爪痕を残したものの、全体的に後半は前半ほどの鋭さを感じられない。
ジリ貧のボーンマスを尻目に試合を決めたのはリーズ。立役者となったのは先制点を奪ったサマーフィルだ。この試合のキーワードと言ってもいいロングカウンターから決勝点となる4点目をゲット。まさにサマーフィルで始まり、サマーフィルで終わった試合と言えるだろう。
2点リードをひっくり返されたボーンマスとサマーフィルが劇的な決勝点をあげたリーズ。ロングカウンターの応酬が迎えた結末は皮肉なことにどちらも前節と全く同じものとなった。
試合結果
2022.11.5
プレミアリーグ 第15節
リーズ 4-3 ボーンマス
エランド・ロード
【得点者】
LEE:3′(PK) ロドリゴ, 60′ グリーンウッド, 68′ クーパー, 84′ サマーフィル
BOU:7′ タヴァーニア, 19′ ビリング, 48′ ソランケ
主審:トニー・ハリントン