PK狂想曲となった一戦をフラムが制する
マンデーナイトの一戦はズルズルと順位が下がっていきまずい雰囲気が出ているフラムがトッテナムを撃破したウルブスを迎え撃つカード。フラムにとってはじりじりとした停滞感を打ち破りたいはずである。
立ち上がりからボールを持ったのはホームのフラム。右サイドを軸にサイドの奥を取るアクションからウルブスのゴールに迫っていく。開始直後のペレイラの裏抜けなどはかなりクリティカルにゴールに迫っていたといえるだろう。
ウルブスはこれに対してカウンターで応戦。自陣深い位置からのロングカウンターで前線のアタッカーを生かす構えだ。ボールを持ちながら打開策を探るフラムとカウンターから活路を見出すウルブスの関係性である。
この構図から抜け出す形で先制したのはフラム。左サイドの大外に立ち位置を取るウィリアンを軸として前線に飛び出したロビンソンが折り返したボールをイウォビが仕留めてゴール。幸先よく先行する。
先制したことによりプレスを強めるウルブス。しかし、フラムは保持からこのプレスをいなす。順調に軌道に乗ったかと思えたが、敵陣でのプレーが単調になりがちなのが難点。愚直なハーフスペースの裏抜けは5バックのウルブスに先読みされるようになり、少しずつ停滞感が出てくる。
保持では左右に揺さぶっていくウルブスによってフラムのプレスが動かされる展開に。同点ゴールは流れるようなポゼッションから。ウィリアンのプレスをすんでのところでかわしたブエノから、右サイドを起点に前進。最後はファーのクーニャが仕留めて同点とする。
このゴールで勢いに乗ったウルブスはハイプレスを開始。敵陣でのハイプレスが機能し、フラムはビルドアップで苦しみ自陣から出ていけないようになる。
この流れは後半も継続。ボールを持ちながら押し込まれるフラムはウルブスに対して苦戦を強いられる。しかしながら、スコアは逆に動く。自陣でのボール保持でまごついたウルブスはセメドがケアニーを倒してPK献上。フラムがリードを奪う。
これでフラムが勢いに乗るかと思われた矢先に今度はリームがカライジッチを倒してフラムがPKを献上。流れとは逆の方にPKがあたえられるケースが続いていく。
そしてこの試合の決着もまたPKによるもの。フラムが獲得したこの最後のPKは議論を呼ぶものだろう。映像を見る限り接触があったかはグレー。OFRでの判定も納得感があるとは言い難い映像が主だった。
やや玉虫色の決着となったが後半のPK狂騒曲的な展開を制したのはフラム。何はともあれ久々の勝利を手にすることができた。
ひとこと
後半だけで3つのPKは結構珍しい。
試合結果
2023.11.27
プレミアリーグ 第13節
フラム 3-2 ウォルバーハンプトン
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:7‘ イウォビ, 59’(PK) 90+4‘(PK) ウィリアン
WOL:22‘ クーニャ, 75’(PK) ヒチャン
主審:マイケル・サリスベリー