好調の前線をパケタが操り7位対決を制する
7位争いとなった両チームの一戦。ウェストハムが勝てば両チームの順位は入れ替わることとなる。
どちらもバックスにプレスをかけない立ち上がり。CB陣はエバンスとおそらくデビュー戦となったカンブワラのコンビという即席感の強い組み合わせだったが、アンカー役だったメイヌーやGKのオナナを含めてバックラインの枚数調整は自在。エバンスが列を上げる亜流のパターンまで使い分けていた。
だが、可変は自在でもやや行き着く先が不透明感があるのがマンチェスター・ユナイテッドの課題。たとえば、ガルナチョやアントニーの1on1やポストからのブルーノの解放など、もう少し出口を意識した組み立てができるとスピードアップができる。
ポゼッションから押し込むことができたのはウェストハム。サイドからの押し下げに対して、マンチェスター・ユナイテッドの中盤は自陣PA内に吸収される形に。ボックス内での対応も含めてバタバタ感があるのはこのメンバーであれば多少は仕方がない。
10分が過ぎるとマンチェスター・ユナイテッドの押し込みに対抗したウェストハムのカウンターが頻発。これにより試合は徐々にオープンな展開になっていく。
そうした中で両チームにそれぞれに大きなチャンス。先に回ってきたのはマンチェスター・ユナイテッド。クドゥスのパスミスからガルナチョが1on1を迎えるが、これはアレオラが冷静にカット。ガルナチョはこの時間帯にオープンな状況でボールを持つことが増えていただけに、1つは決めておきたかったところだろう。
一方のウェストハムのカウンターのチャンスはエバンスがカット。前半のパフォーマンスは非常に安定。できることをきっちりやっており、急造ラインのDFリーダーとしてできることをやっていたと言えるだろう。試合は両チームともゴールをこじ開けられない状況のスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半は前半よりも一歩踏み込んだ攻撃ができている両チーム。だらっとしたオープンな展開からSBのオーバーラップが積極的に行われており、この分ボックス内での守備側のラインを動かすことができていた。
特にこの役割で目立っていたのはルーク・ショウ。マンチェスター・ユナイテッドの後半の攻撃はショウの無限オーバーラップがほとんど占めていた。しかしながらギリギリのところでウェストハムのCBが立ちはだかる。特にズマの鉄壁ぶりは素晴らしいものがあった。
抜け出すところまではできていたマンチェスター・ユナイテッドが優勢な展開だったが、抜け出しからフィニッシュまでをシームレスに行うことでウェストハムが先制点を手にする。パケタ→ボーウェンのパスはマンチェスター・ユナイテッドのバックスを一気に置き去りにした破壊力抜群の一手。これを仕留めてウェストハムが先行する。
さらに6分後には2点目をゲット。メイヌーのわずかなミスを逃さなかったクドゥスはボール奪取から自ら抜け出しての追加点。またしてもアシストはパケタだ。
失点を喫してからは無抵抗になってしまったマンチェスター・ユナイテッド。したたかにゴールを重ねたウェストハムに屈し、リーグ戦はノーゴールの連敗となってしまった。
ひとこと
マンチェスター・ユナイテッドは攻撃の軸が見えてこないのが辛い。ショウのオーバーラップがバレる前に先制できれば少し違ったかもしれないが、前線の好調さが光ったウェストハムとは少し対照的だった。
試合結果
2023.12.23
プレミアリーグ 第18節
ウェストハム 2-0 マンチェスター・ユナイテッド
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:72′ ボーウェン, 78′ クドゥス
主審:サイモン・フーパー