積極プレスのエバートンを後半に仕留めた世界王者
クラブ世界一のタイトルを引っ提げてサウジアラビアから帰ってきたマンチェスター・シティ。帰国初戦はいきなりのグディソン・パークというタフなマッチアップとなった。
マンチェスター・シティのバックラインからのキャリーはいつも通り。ストーンズが列を上げる形での3-2変形からの組み立てで、そこからCHの一角のヌネスもしくはストーンズが右サイドに落ちながらウォーカーを押し上げるというアレンジを見せていた。
エバートンは前からのプレスの意識が高い形で勝負に出る。ただ、意欲的ではあるが、後方に十分を枚数をかけるシティのビルドアップに対してついていくことができず。着実にシティは前進をする。
しかしながら、エバートンはプレスを外されてもリトリートが見事。シティはプレスを振り切った後に攻撃のスピードアップを図ることはできず、押し込んだところから再度エバートンのブロックを崩すことを強いられることとなる。
シティのプレス回避とブロック破壊の二段構えのチャレンジが続く中で、先制点を奪ったのはエバートン。自陣からのワンタッチのパス交換からプレス回避を図ったシティだが、複数回連鎖する形でボールのコントロールをミスすることに。高い位置からボールを奪ったエバートンは左サイドから裏をとり、折り返しをニアに入り込んだハリソンが仕留めて先制する。
その後もシティの流れは悪い。中盤では無理なターンからロストを繰り返していたし、後方のキーマンであるストーンズは負傷。先制点を奪ってもラインを下げる意識を見せないエバートン相手に苦戦を強いられた前半だった。
後半、右サイドからシティは押し下げに成功。ロドリの列上げサポートからサイドの奥を取ることで少しずつエバートンを自陣に釘付けにしていく。
その甲斐あってシティは53分に同点。ブロックの外からのミドルを仕留めたフォーデン。ブロックの外からの矛が届くのは押し下げるというシティの下ごしらえが効いているからである。
同点以降、プレッシングの巻き直しを図ったエバートン。しかし、ここはシティのポゼッションの圧が高まった感がある。クロスを弾けなかったピックフォード。ここのミドルからの流れでシティはPKを獲得する。
逆転されたエバートン。5バックに移行してなおきっちり人を捕まえてプレスを高める意識を持っていた。シティはリードしてなお試合を落ち着かせることができず、試合の主導権は流動的に。キャルバート=ルーウィンには試合を振り出しに戻すチャンスがあったが、これを仕留めることができず。今季の難であるフィニッシュワークの精度の低さが立ちはだかる。
そして、試合を決めたのはピックフォードのパスミス。これをしたたかに仕留めたベルナルドによって試合は終焉。帰国初戦なりに苦しんだ感があったシティだが、最後はきっちりと勝ち切っての3ポイントを手にした。
ひとこと
負けはしたけどもグディソン・パークのエバートンはここにありという感じだった。
試合結果
2023.12.27
プレミアリーグ 第19節
エバートン 1-3 マンチェスター・シティ
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:29‘ ハリソン
Man CIty:53‘ フォーデン, 64‘(PK) アルバレス, 86‘ ベルナルド
主審:ジョン・ブルックス