Fixture
プレミアリーグ 第29節
2022.3.13
アーセナル(4位/15勝3分7敗/勝ち点48/得点41 失点29)
×
レスター(12位/9勝6分10敗/勝ち点33/得点40 失点43)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
直近10試合の対戦でアーセナルの5勝、レスターの4勝、引き分けが1つ。
アーセナルホームでの対戦
直近10試合の対戦はアーセナルの8勝、レスターの1勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
スカッド情報
【Arsenal】
・Covid-19の陽性反応で2試合欠場したエミール・スミス・ロウは起用可能。
・ふくらはぎを負傷した冨安健洋は出場不透明。
【Leicester】
・ハムストリングを負傷したリカルド・ペレイラとパピ・メンディには復帰の可能性。
・ジェレミー・ヴァーディは膝の怪我で欠場だが、ジェームズ・マディソンとジェームズ・ジャスティンは木曜のECLのレンヌ戦で復帰。
Match facts from BBC sport
【Arsenal】
【Leicester】
予想スタメン
展望
■やりくりに苦しんだ21-22
リーグ戦はまだ10試合近く残っているので、少し気が早いかもしれないが、レスターにとっては非常に厳しい21-22シーズンだったといっていいだろう。
特に泣かされてきたのは怪我人だ。プレシーズンでいきなりの大けがを食らわされてしまったフォファナを変わり気に最終ラインは怪我人が多発。エバンスは離脱を繰り返し、ヴェスターゴーアはフィットの兆しが見えず、まともに稼働できたのはソユンクとアマーティという現行のCBコンビくらいのものだろう。
SBの台所事情の厳しさはそれ以上。カスターニュは復帰の目途が立たず、ようやく復活したジャスティンもコンディション面に難があるのか、なかなかコンスタントにリーグ戦で出番は得られていない(直近のECLレンヌ戦では先発出場)。万全であれば間違いなく主力として計算できるリカルド・ペレイラも満足に出番を得られるフィットネスではなく、チョーダリーがRBに回される試合もあった。
中盤より前もなかなか主力が整わない。怪我への耐性の高さが売りの1つだったヴァーディは長くなった怪我からの復帰間もないリーズ戦で負傷してまたしても再離脱。ティーレマンスは継続してプレーはできているがなかなかパフォーマンスが上がってこない。中盤戦以降、コンディションが上がってきたマディソンもフォーメーションの兼ね合いでどこに置くのかが難しくなっている。主力とチームがどこか噛み合わないままでここまで来てしまっている感がある。
現状の4-3-3においては支配的なスタンスはやや諦められており、いかに目の前の相手に欠点が出ないように振る舞うかを大事にしているように思う。したがって、最終ラインに不安がある現状ではプレッシングは控えめ。まずは最終ラインに過度は負荷をかけないこと。
中盤を構成する面々は守備で汗をかけること。マディソンがやや使いにくいのはこの条件を満たすかが怪しいから(ベンチ外もあるのでコンディション面にも問題があるかもしれないが)というのもあるだろう。IHがプレスに行く頻度はやや低めで、彼らは自身の背後のスペースを消す動きを意識することが多い。このリスク回避最優先のやり方も多少は板についてきたのか、リーズ戦では攻められながらもCBの奮闘で守り切り、バーンリー戦に続いて2連勝+2試合連続のクリーンシートを達成した。
だが、順風満帆かといわれればまたそこは別だろう。この2試合で得点を取ることが出来たのはヴァーディの速攻におけるスキルの高さに助けられたところが大きい。不在となった時にどういう戦い方ができるのかは気になるところ。その不安を和らげる意味でヴァーディ抜きでのレンヌ戦の勝利は大きいはずである。
もう1つはローラインブロックの精度である。バーンリー、リーズという直近の相手に比べれば、アーセナルは押し込まれてしまった際の攻撃にはいく分か歯ごたえがある相手といえるだろう。まずは慎重に入るというスタンスがCL出場権を争うレベルに耐えうるのか、レスター側にとってこの試合は試金石になる。
攻撃におけるキーマンはバーンズとルックマン。どちらもドリブラー型の選手だが、直近で調子が上がっているように思えるのはバーンズ。長期離脱から空けた今シーズン、冬になりようやくコンディションが上がってきた感じがある。
同サイドのIHのデューズバリー=ホールはオフザボールの動きに長けており、相手の守備の穴をあけるように動くのがうまい。自身のドリブルに対する合わせも徐々に連携が高まっていっている。両サイドのSBもトーマスで固定できたのも大きいプラス材料である。
ヴァーディ不在の中、レスターには新たな武器が必要。両翼からのカットインというフィニッシュの道筋をチームとして作ることができれば、課題の得点力も一定の目途が立つ可能性はある。
■相手の出方で攻め手を決める
レスターと対峙するにおいて、アーセナルのロールモデルになりそうなのはリバプールである。
この試合はレスターのCHが後ろ向きになり、プレスに行けず、SHがプレスに行った結果、サイドの対応が後手になり、リバプールに幅を使って振り回されながらボコボコにされた試合である。
レスターがリバプールに対して困った要因は大きく分けて2つ。1つはライン間でうろちょろしてボールを受けることを狙うCF(フィルミーノ)がいたこと、もう1つはサイドにおいて1枚で対応しづらい優位を作れる個(サラー、ディアス、アレクサンダー=アーノルド)がいたことである。
現状のアーセナルの面々はこの条件を満たすといっていいだろう。無論、前者はラカゼット、後者はサカである。リバプールのように相手のSHをつり出すことが出来たら、外循環でのサイド勝負。仮にIHが前に出てくるプレスを仕掛けてきたらラカゼット、ウーデゴールを中心にライン間への縦パスを軸に攻めを組み立てたい。
要は相手の出方次第でプランを変えながら勝機を見い出したい。ヴァーディがいないとなると押し込みながらレスターをアーセナル陣内から遠ざけるアプローチの効果も高いはずだ。
キーマンであるバーンズに対しての守備もポイントになるだろう。サイドでのマッチアップは前回の冨安も手を焼いた。セドリックにとっては大きな試練である。
また、先に述べたように特にレスターの左サイドはハーフスペースと大外の使い分けがうまいサイド。アーセナルは押し込まれた際の泣きどころであるサイドのハーフスペース封鎖に関して試練になるだろう。ワトフォード戦のようなサイドでのあっさりした対応からの失点は減らしたいところだ。
守備面における課題にどれだけ対応できるか、また押し込むことでどれだけその課題と向き合うことに遠ざけられるか。レスター戦における非保持のポイントはそこになるだろう。