両WGのスピードを生かしたギャップ作りでアトレティコに快勝
アトレティコのスタンスは非常に柔軟なものだった。CLでも馴染みのある3-5-2のポジションはボール保持においての限定。非保持においてはジョレンテとリーノがSHを務める4-4-2に変形することでビルバオにプレッシャーをかけていく。
したがってビルバオがボールを持っている時はズレを作ることを意識する必要があった。ビルバオが見つけたズレはWGを使ったスピード勝負。ニコ・ウィリアムズとイニャキ・ウィリアムズの両翼から仕掛ける裏抜けがビルバオの攻撃の脱出口である。この武器から先に決定機まで辿り着いたのはビルバオの方だった。
アトレティコのポゼッションは先に示したように3-5-2がベース。2トップのうち、グリーズマンは自由に動くことを許されているフリーマンとしてピッチを駆け回っていた。保持ではズレを作ることができているアトレティコだが、アタッキングサードにおける攻め手に苦戦。モラタにチャンスを届けるフェーズでの前方の枚数不足からなかなか活路を見出すことができない。
確立されたポゼッションの中で先制のチャンスに辿り着いたのはビルバオ。右サイドの裏抜けから発動したサイドのズレに対応しきれなかったのはソユンク。イニャキを倒してのPK献上で先制のチャンスを与える。だが、サンセトのキックは枠外。絶好のチャンスを活かすことができなかった。
30分を境に展開は間延び。両チームともにオープンでチャンスがある状況にはなっていたが、アタッキングサードの精度はホームのビルバオの方が上という状況だった。
後半も変わらない展開が続く。アトレティコは右サイドを軸にユニットを変更するが、試合の流れを覆すことができない。
ビルバオはセットプレーの流れから先制。右サイドからボールが上がったクロスに対してファーで待ち構えていたのはグルゼタ。セットプレーで配置が乱れやすかったとはいえ、ヴィツェルの外側をぽっかり開けたのはアトレティコの守備のミスと言っていいだろう。
さらにビルバオは追加点をゲット。前半に得たPKと同じ角度からフリーになったニコ・ウィリアムズが追加点をゲットする。
この追加点で試合は勝負あり。終始優勢だったビルバオペースを崩せなかったアトレティコ。終盤は逆サイドのWBが飛び込む形を作るなど奮闘したがネットを揺らすことができず。アトレティコはサン・マメスで沈黙することとなった。
ひとこと
両サイドのスピードを軸としたビルバオの攻撃は見事だった。
試合結果
2023.12.16
ラ・リーガ
第17節
アスレティック・ビルバオ 2-0 アトレティコ・マドリー
エスタディオ・サン・マメス
【得点者】
ATL:52‘ グルゼタ, 64’ ニコ・ウィリアムズ
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ