カルチョらしからぬオープン合戦を制したのは
いきなりパトリックが肩を痛めてしまうというなんとも不穏なゲームのスタートを見せたラツィオ。大事に至らずピッチに戻ったことでベンチは胸をなでおろしたことだろう。
立ち上がりからロングボールの応酬で落ち着かない展開になったこの試合。起因となっているのは両チームのハイプレス。最終ラインへの積極的なプレッシングから蹴らせて回収というメカニズムをどちらのチームも狙っている様子だった。
この形からゴールを手にしたのはラツィオ。イサクセンがプレス隊に参加することでファウルを奪うと、このFKをペッレグリーニが沈めて先制。不穏な立ち上がりから一転、先制点を手にする。
失点をしたことで迎撃の意識を強めるのはウディネーゼ。WBは高い位置からラツィオのSBを捕まえ、中盤は枚数を合わせて縦パスをカットすることに積極的な姿勢を見せていく。
ラツィオは蹴ってプレスを回避する慎重な姿勢にシフト。この辺りは先制点を奪った余裕だろう。プレスも高い位置に奪いに行く姿勢からインサイドのパスをカットするコースを消す形にシフトする。
ショートパスをつなぎながらスキを作るアプローチを見せていたウディネーゼに対してはインサイドに構える形は有効だった。蹴っ飛ばして、相手に持たせて中盤で縦パスをカットした一気に縦に進んでいく形が理想。
そのためには外から押し下げられることは避けていきたいラツィオ。ここはIHがどこまで外の動きについていけるかが肝。鎌田は警告を受けてしまうなど、ラツィオの守備が間に合いきらない場面もしばしばだった。
後半もボールを持つターンが中心となったウディネーゼ。右サイドのエボセレの突破力を生かしながら敵陣でのプレータイムを増やしていく。すると、セットプレーから同点ゴールをゲット。ワラシのFKに誰も触ることができず、ラツィオはリードを手放してしまう。
終盤はオープンな展開に終始。互いにプレスが弱まり、中盤が存在しないような形から互いのゴール前で多くのチャンスを連続して迎えるような撃ち合いになった。セリエAでは少し珍しい展開といってもいいかもしれない。
どちらのチームにもチャンスがある中で決勝点を奪ったのはラツィオ。ベシーノの流し込むような冷静なフィニッシュで2点目を手にした。
チャンスの応酬を制したラツィオ。苦戦しながらもウディネーゼを下して勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
カルチョっぽくない終盤戦。プレミアの匂いがする後半の展開だった。
試合結果
2024.1.7
セリエA
第19節
ウディネーゼ 1-2 ラツィオ
スタディオ・フリウリ
【得点者】
UDI:59‘ ワラシ
LAZ:12‘ ペッレグリーニ, 76’ ベシーノ
主審:ファン・ルカ・サッチ