帰還したあの男が後半のゲームチェンジャーに
ウインターブレイク明けの初戦となる試合はアウェイでのダルムシュタットとの一戦。ボールを持つ機会が多かったのはアウェイのドルトムントの方だった。ダルムシュタットが非保持に回った時にとにかく心がけていたのは中盤を離さずにマンツーで組むこと。SBに対しては気持ち離して守っていたが、中盤に対しては実質マンツーでついていく意識を強めで捕まえることを大事していた。
保持から相手を動かしたいドルトムントだが、きっかけとなるズレを作ることができずに苦戦。ボールを保持しながらも前進となるポイントが見つからない状態が続く。
一方のダルムシュタットもひとたびポゼッション回ればバックラインがドルトムントを引き込むようにボールを持つ。しかしながら、前進のきっかけが見つからないのはこちらも同じ。ファストブレイクからサイドの裏にボールを運ぶケースもあったが、バイノー=ギッテンスに警告を与えるくらいしかダメージを与えることができなかった。
20分まで互いにゴールどころかシュートもない膠着した一戦。打開した1つ目のポイントからドルトムントは先制。わずかなズレのスキをついてブラントがゴールを仕留める。
以降もどちらのチーム共にボール保持からの解決策を探る展開に。ドルトムントはフリックのような瞬間的なギャップを作り出すようなプレーを中心に、ダルムシュタットはポジションチェンジといった物理的に場所を入れ替えるようなギャップづくりを中心に違いを作っていた。
後半も同じく試合はマンツー外しにフォーカスする内容に。前半に比べるとついていく守備側の足が鈍っているのかファウルで対応する頻度が増えたという部分が違いといえるだろう。相手を置いていくスピード感で言えば、ダルムシュタットにも手応えがある流れとなっていた。
しかしながら、ゲームチェンジャーとして登場したのはサンチョ。主にカウンター局面からのチャンスメイクで別格の存在感を発揮。帰還早々のロイスのゴールへのアシストで早速得点に絡む活躍を見せる。
ダルムシュタットは64分にセットプレーからチャンスを作るが、得点の機会を逃してしまったのが手痛かった。ロングカウンターも抜け出しきれず、全体を押し上げて人数をかけられなければ満足な動きができなかったと言えるだろう。
ドルトムントは終了間際にムココが追加点を決めて決着。したたかに試合を進めたドルトムントがスマートに勝ち点3を掴んだ。
ひとこと
サンチョ、悪夢の23-24シーズンをどこまで巻き返せるかのチャレンジが始まった。
試合結果
2024.1.13
ブンデスリーガ
第17節
ダルムシュタット 0-3 ドルトムント
メルク・シュタディオン・アム・ベーレンファルトール
【得点者】
BVB:24‘ ブラント, 77‘ ロイス,90+2’ ムココ
主審:デニス・アイテキン