後半に攻撃を加速させたサンチョ
今季ここまでわずかに2勝と苦しんでいるケルン。監督交代してそこまで時間はたっていない試合だが、悪天候に見舞われている影響で十分に練習をすることができていない様子。ピッチ外も含めて雑音は多く、苦しい状況である。
ケルンが受けた過酷な状況はこの日のピッチにも影響。-1℃でのプレーによりどちらのチームもすべる選手が目につく立ち上がりとなった。
4-4-2で構えるケルンに対して、ドルトムントは3-2-5でビルドアップを組む。アンカーのエズジャンの脇に立っているのは左のSBのマートセン。インサイドに絞ることで大外のサンチョの勝負できるポイントを作っていた。
大外のサンチョは存分に存在意義を発揮。サイドからの押し下げから、バイタルでブラントがシュートを打つためのスペースを作るなどのチャンスのきっかけを生み出すことができていた。
押し込む機会を得たドルトムントは前半の早い時間にセットプレーから先制。ブラントのボールをマレンが仕留めて先行する。
ケルンはサイドからのクロスを終着点として設計。サイドの裏を深く取る形からボックス内に勝負を仕掛けていく。しかしながら高さのあるドルトムントの守備陣に苦戦。ミドルの意識も高く、バイタルが浮けばシュートを放っていたが、なかなか枠をとらえることができなかった。シュロッターベックが落ち着いて試合を運んでいたドルトムントのペースで前半は進んでいたと考えていいだろう。
追いかけるケルンはプレッシングからペースを握りに行く。2トップでコースを制限しに行くが、ドルトムントは枚数のズレを使いながら前進。カウンターをベースに勝負を仕掛けていく。
非保持におけるミドルプレスは少し押し下げられる分、やや不安定な要素を残しているドルトムントだったが、定点攻撃から追加点をゲット。左右に揺さぶりながらWGで勝負を仕掛ける保持の方針を生かし、PKを獲得したのはサンチョ。これをフュルクルクが仕留めてさらにリードを広げる。
さらにサンチョはカウンターから3点目をアシスト。マレンを裏に走らせるプレーで試合を完全に終わらせる。
ケルンはこのプレーでややトーンダウン。3失点目を喫したところでハイプレスがやや緩むことに。ドルトムントがショートパスでのプレス回避にこだわっていた分、ケルンにもチャンスはちらほら見られたが、次のゴールを決めたのもドルトムント。ムココが締めの4点目を仕留めて大勝のトリを飾る。
終わってみれば4ゴールの快勝。上がり目が見えないケルンを一蹴したドルトムントが勝ち点3を積み重ねた。
ひとこと
勝利はしたが、ドルトムントは少し要所に甘さがみられるのは気がかりなところ。試合運びのところとか、ミドルプレスの甘さとかはこの試合ではさらされなかったけども、ほかの相手ならどう出るのかは気になる。
試合結果
2024.1.20
ブンデスリーガ
第18節
ケルン 0-4 ドルトムント
ライン・エネルギー・シュタディオン
【得点者】
BVB:12′ 61‘ マレン, 57‘(PK) フュルクルク, 90+2’ ムココ
主審:ダニエル・シュラーガー