先制点を奪って以降は盤石な展開で天王山を制する
首位・インテルとの勝ち点差は1。消化試合の違いを考えれば、ユベントスとしてはここは絶対に勝ちが欲しいところ。カルチョの優勝争いを左右する大一番である。
試合は天王山らしい緊張感のある展開だった。互いにフォーメーションは3-5-2。噛み合わないバックラインには無理にプレスに出ていくことはしない。わずかに色気を見せていたのはユベントスの方でマッケニーが少し前に出て行きたがる素振りを見せていたくらい。後ろは少し連動している感がなかったので、プレスのスイッチを入れるというほどではないのだろう。
インテルの保持は2トップの裏抜けのギャップを作るといういつもの形に加えて、積極的な右サイドのポジションチェンジを採用。バレッラやチャルハノールを最終ラインに落としつつ、パヴァールやダルミアンを押し上げる形でボックス内への侵入を誘発。しかし、これも外でフリーマンを作る以上のことはできず。ボックス内を固めるユベントスに対してなかなか決め手を作ることができない。
インテルも非保持に移行すればリトリートをベースに安全第一主義。ユベントスは左サイドはヴラホヴィッチのポスト、右サイドはマッケニーのドリブルを軸に攻撃に出る。こちらもチャンスとしては少なかったが、31分のマッケニーのドリブルからのヴラホヴィッチの決定機はこの試合の前半の中でも最も大きなチャンスだったと言えるだろう。
しかし、これをユベントスが逃すと直後にインテルが先制。右サイドのポジションチェンジから外でフリーになったバレッラからボックス内のパヴァールにクロスを入れる。これがオウンゴールを誘発し、少ないチャンスの中でインテルが貴重なゴールを決める。
インテルは先制点以降はリトリートをベースにする。ユベントスは深い位置から左右でクロスを上げるというそれまでにあまり見られなかった形を作るようになった。
後半、インテルはバックラインにチャルハノールを落とす形でポゼッションを安定させるスタート。初めは持たせてOKというスタンスだったユベントスだが、ボールを奪うフェーズに移行すると、左右のサイドに多くの人数を上げることで攻撃の厚みを出していく。ガッティやコスティッチのミドルなどからインテルの後ろに重いバックラインを襲撃する。
インテルは前がかりなユベントスをひっくり返す形でカウンターに。2トップの推進力を軸とした縦に速い攻撃でゴールに迫る。前半よりは明らかにオープンな展開になったが、より深い位置までボールを運ぶことができていたのはインテルの方であった。しかし、こちらも決定機はクロスバーやシュチェスニーに防がれてしまい、ゴールを奪うことはできない。
時間の経過とともにインテルが徐々にチャンスを作る頻度を上げていく展開に。ユベントスは積極的な選手交代で流れを変えようとするが、前線とWBの交代で最後まで推進力を失わなかったインテルから主導権を握り返せず。
首位攻防戦は上位のインテルが勝利。スクテッドに大きく近づく大きな3ポイントを手にした。
ひとこと
リードを奪わせてしまうと今のインテルは厄介。強かな横綱相撲だった。
試合結果
2024.2.4
セリエA
第23節
インテル 1-0 ユベントス
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
【得点者】
INT:37‘ ガッティ(OG)
主審:ファビオ・マレスカ