2トップの質が3ポイントを捻り出す
アトレティコは5-3-2で構える形でラージョにポゼッションを譲るイメージ。ラージョは左サイドを片上げしたスタート。保持では4バックになる形でややアシンメトリーに勝負を仕掛けていく。
しかしながら、これに対してはかなりアトレティコは準備してきた感じがある。きっちりブロックを組むのはもちろんのこと、SBにはWBがスライドすることで早めにサイドも封鎖。というわけで持たれているけども悪くない展開が続く形になっている。
アトレティコは攻撃に打って出たのは左サイドのファストブレイク。リケルメのポジトラはかなり光になっていた感がある。ボックス内で勝負する形にもっていけば2トップが縦関係を作りながら決定機を創出する。
保持においてもバリオスなどが少しずつ相手を外す場面を作り出すなど、カウンターの道筋は見える状況になっていく。すると、セットプレーから先制。リケルメからヘイニウドへのクロスからゴールを奪う。
しかしながら、ラージョも前半終了間際に意地を見せて同点に。左サイドからチャバリアが深さを作って、マイナスのクロスをアルバロ・ガルシアが仕留めて試合を振り出しに戻す。
後半も立ち上がりは前半と同じ構図でスタート。膠着した試合を動かしたいと交代カードを切ったのはアトレティコ。主力選手を中心に60分手前に3枚の交代を実施する。この交代から少しアトレティコが保持のフェーズが増えていく。
しかしながら、ボールを持つからと言って主導権を握れるわけではないのが切ないところ。むしろ、トランジッションに転じてからはラージョの方がチャンスを作れていたというのが意外なところだった。
だが、こうした状況をなんとかしてしまうのがアトレティコの2トップ。80分付近の2トップの時間差抜け出しはオフサイドとなったが、90分には本当に試合を決める一撃を披露。グリーズマンの右フローからデパイが仕留めて追加タイム直前にゴールをゲットする。アリダネとルジューヌが見合わせていたように、一瞬のスキを使って抜け出したデパイのストライカーとしての嗅覚が全開というゴールだった。
苦戦しつつも何とか勝ち切ったアトレティコ。ぎりぎりで3ポイントをもぎ取って見せた。
ひとこと
ストライカーの質、大事。
試合結果
2024.1.31
ラ・リーガ
第20節
アトレティコ・マドリー 2-1 ラージョ
エスタディオ・シビタス・メトロポリターノ
【得点者】
AMA:36‘ ヘイニウド, 90‘ デパイ
RAY:44‘ ガルシア
主審:ソト・グラード