堅い展開への誘導に抵抗できなかったジローナ
ジローナは多少メンバーを入れ替え。ツィガンコフ、ポルトゥ、サヴィーニョといった2列目のタレントをベンチに置くことでターンオーバーの策を練ってきた。
ただし、メンバーを入れ替えても大枠での仕組みは同じ。サヴィーニョがいなくとも左の大外はバレリーが務めているし、ミゲルがインサイドに入りながら高い位置を取るというフレームも同じである。
というわけでボールを持つ機会が多かったのはジローナ。中盤を噛み合わせるアルメリアの守備に対して工夫が欲しいところ。低い位置に降りるアクションをしつつボールを受けるマルティンから矢のようなサイドチェンジを行い、逆サイドのバレリーの折り返しをミゲルがシュートで放つ。この形はブロック守備攻略のソリューションの一つだろう。
このようにジローナのサイド攻撃は二人称が多め。サイドにボールを運ぶフェーズまでに工夫が施されているところが多い。逆に言えばサヴィーニョがいない分、静的な状況を打開する部分がなかなか出でこないのは当然のことだろう。
一方のアルメリアの保持はアンカーが浮きやすくボール保持は安定。ただし、ミドルゾーンからの加速は少なくこの点で攻撃の停滞感があった。ロベルトーネのクロスからエンバルバとアリバスがかぶってしまったシーンは数少ないアルメリアの決定機を台無しにしてしまうもの。前半で最もゴールに近づいたシーンだった。
後半のアルメリアは非保持において5バックにシフト。レーンを閉じる動きを行い、試合をさらに堅いものに誘導する。ジローナは右サイドをレーンチェンジを駆使しながら壊しにいくがなかなか打開策を見つけることができない。
そうした中でカウンターからジローナに退場者が。ガルシアが決定機阻止で一発退場となってしまう。しかしながらこの退場者が特に試合の展開に大きな影響を与えることはなし。4-4-1で受けながら引き続きアルメリアの陣内に入り込む。シュート数的には大きくアルメリアが勝っているスタッツになっているが、特にそこまで際立った差は両チームには見られなかったように思える。
ジローナは退場者が出る直前に主力組を投入したが、こちらも特に攻撃の活性化には繋がらず。試合はドローのまま幕を閉じることとなった。
ひとこと
優勝争い真っ最中のジローナにとっては手痛いドローだろう。
試合結果
2024.1.14
ラ・リーガ
第20節
アルメリア 0-0 ジローナ
エスタディオ・デ・ロス・フエゴス・メディテラネオス
主審:ブスケッツ・フェレル