最後の最後でDFラインの空中戦耐性があらわに
早くも2024年になって3回目のマドリード・ダービー。CLがなければこれで両軍の対決は打ち止めになる。ヘタフェ戦では4-3-3にトライしたマドリーだったが、この試合では4-3-1-2に回帰。オーソドックスなフォーメーションでアトレティコの5-3-2に立ち向かう。
まずは広げるアクションでズレを作りにいくマドリー。クロース、バルベルデ、カマヴィンガの3枚のうちの2枚はアトレティコの2トップ脇の中盤のブロックの手前でポジションを取る。そして、2トップは開いたポジション。特に右のブラヒム・ディアスはこの傾向が顕著。
IHが手前に、そして2トップは横に広がることでライン間を広げる。ここをベリンガムやIHが使うことで攻め込むイメージである。マドリーの右サイドが強力だったのはライン間を使うことができないのであれば、外をシンプルに壊すことに傾倒できていたこと。この辺りはルーカス・バスケスのフォローが見事。先制点もアクシデンタルながらも彼が右サイドから抜け出すところから生まれたものだった。
アトレティコの保持に対して、マドリーは珍しく4-3-1-2をキープ。アンカーのコケをベリンガムが監視する形で潰しにいく。
アトレティコもマドリーと同じく右サイドからの攻め手を見出す。立ち上がりは引いて受けるグリーズマンから奥をとるモラタが狙っていく形である。このようにアトレティコは右サイドの手前のスペースからアーリー気味のクロスを上げる形を徹底。逆サイドのWBが幅取りよりもボックスへの突撃にフォーカスしていたことや、マドリーのCBが人員不足であることを踏まえると、シンプルであるが効く形ではあった。しかし、ゴールを奪うことはできず、試合はマドリーのリードでハーフタイムを迎える。
後半はボールを持つのはアトレティコ。バックラインから押し込みながらのポゼッションでスタートする。マドリーは非保持で4-5-1にシフト。ディアスを左に置く形でアトレティコにボールを持たれることを許容する。
アトレティコはセットプレーからネットを揺らすがこれはサウールがオフサイド。マドリーは事なきを得る。以降もアトレティコは前線のメンバーを増やす5-2-3などのシフトでマドリーに圧をかけていくが、ブラヒム・ディアスを軸としたカウンターで反撃を食らうなど、なかなか苦しい展開に。
しかしながら、前線に強引に放り込んだボールからアトレティコは土壇場で同点。最後に仕留めたのはジョレンテ。マドリーは最後の最後で急造DFラインの跳ね返し耐性の低さが出てしまった。
3試合を行い、1勝1敗1分。1ヶ月に及ぶマドリード・ダービー3連戦は全く互角の戦績で幕を閉じることとなった。
ひとこと
最後の最後で意地を見せたアトレティコ。優勝は簡単にさせたくないプライドを感じたゴールだった。
試合結果
2024.2.4
ラ・リーガ
第23節
レアル・マドリー 1-1 アトレティコ・マドリー
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:20‘ ディアス
AMA:90+3′ ジョレンテ
主審:サンチェス・マルティネス