殴ることをやめないシティから1ポイントを持ち帰る
リバプールとアーセナルは前の時間ですでに勝利。とはいえ、シティはこの試合とミッドウィークの中断分を連勝すれば首位に躍り出る。コペンハーゲン遠征後のハードな試合だが、ここはなんとしても勝利が欲しいところだろう。
立ち上がりからシティはハイプレスでチェルシーを強襲。畳み掛けるようなプレスから一気に先制点を奪いにいく。
しかしながら、チェルシーもこれに応戦。この日のチェルシーは深い位置からの反撃という形で裏抜けを作り出す点が非常に優れていた。ジャクソンをポスト役として段差を作り、フリーマンから裏にジャクソンもしくはスターリングが抜け出すシーンがそこそこな頻度で作られることとなった。
シティはサイドからオープンにクロスを上げる状況を作ることでチャンス構築。ハーランドに縦パスが入り、デ・ブライネに落とされて、裏のフォーデンに展開されたシーンなどはシンプル。ただし、チェルシーも大外の守備にはSB、そしてハーフスペースの封鎖にはエンソとカイセドが動員されているので、簡単にオープンな展開を作ることは難しい。
そのため、左右にボールを動かすことでチェルシーを揺さぶる。具体的には左右にボールを動かすことでエンソとカイセドにカバーリングを間に合わせないようにする方向性である。
この流れでチャンスを作ることができていたシティ。しかしながら30分以降はサイドを入れ替えながらの攻撃が機能せず。チェルシーはギャラガーが圧縮する形と逆サイドに展開されることは少なくなり、ボールサイドに守備者を動員できることが増えてくる。それでもチャンスを作れるシーンがあるのがシティの凄みなのだけども。
ギャラガーの働きはとても良かった。アンカーのロドリの監視に加えて、サイドの圧縮のためのスライドと機を見たCBへのプレスとあらゆる方向のタスクをこなしていた。
そして、先に挙げたカウンターの道筋からようやく先制点をゲット。ボールタッチが良好なジャクソンが自らポストをきっかけに抜け出すと、スターリングへのアシストを決めてついにリードを奪う。
迎えた後半。立ち上がりからシティは猛攻を仕掛けていく。カイセドの退場疑惑など、シティ側には選手が文句を言いたくなるような判定がちらほら。その度、シティは攻撃に怒りを込めての強シュートを連打するようになっていた。
攻撃の中心は左サイドのドク。攻め疲れないという彼の長所と単調さと相手を剥がした後のプレーの精度という彼の課題の両面が見えたのがまさにこの日の後半という感じだろう。それでもサイド攻撃におけるパスワークからクロスを上げる隙を作るのはさすが。コルウィルとディザジという粘っているチェルシーのCB陣もクロスに対して外されてしまうシーンが出てくる。ただ、この日はハーランドの決定力がイマイチでなかなかチャンスをゴールに結びつけることができない。
チェルシーは左サイドからの裏抜けカウンターという一本槍で後半は対抗。チルウェルとジャクソンという加速できる選手を軸に、なるべく少ない手数でシティの背後を強襲するプランである。リードしているという点では悪くはなかったが、当然頻度という部分では明らかに減ってしまう。
70分にチャロバーの投入で5バックにシフトするチェルシー。以降も守備的な交代を継続する。ロドリが追撃弾を決めた84分にはすでにもう一度攻撃に転じるのは難しい状況だった。
32本のシュートで殴り続けるシティだったが、最後まで勝ち越しゴールを決めることはできず。勝ち点3を詰めなかったシティはついに優勝争いのポールポジションをリバプールに明け渡すこととなった。
ひとこと
シティ、相手を殴り続けるということのスキルの高さがすごい。
試合結果
2025.2.17
プレミアリーグ 第25節
マンチェスター・シティ 1-1 チェルシー
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:84′ ロドリ
CHE:43′ スターリング
主審:アンディ・マドレー